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2013夏の甲子園SPインタビュー

西武・高橋光成インタビュー 2年生で甲子園Vを成し遂げた苦悩

 

2年前の夏、甲子園の舞台に颯爽と現れた2年生右腕がいた。初出場の前橋育英のエース・高橋光成。初戦の岩国戦で松井裕樹(桐光学園-―楽天)の大会記録にあと一つと迫る9連続奪三振を含む13奪三振で完封勝利を挙げると、一気に頂点まで駆け上がった。16歳にして脚光を浴び、今年西武入りした高橋光が当時感じていたこととは――。
取材・構成=小林光男 写真=BBM

やはり気になる夏の甲子園


8月9日のオリックス戦[京セラドーム]でプロ初勝利をマークして、田邊監督とともに記念撮影



 やはり、夏男なのだろうか。プロ1年目の今シーズン、当初は二軍で先発ローテーションに入り、経験を積んでいたドライチの高橋光成。チーム事情から甲子園開幕を目前に控えた8月2日に一軍昇格すると、同日のソフトバンク戦(西武プリンス)に先発。3回途中4失点で負け投手になるも、投げっぷりが認められ1週間後、9日のオリックス戦(京セラドーム)でも先発した。猛牛打線に対して若獅子らしく真っ向から立ち向かい、5回途中無失点で念願のプロ初勝利をマーク。続く16日のソフトバンク戦(ヤフオクドーム)でも5回途中4失点ながら、2勝目を手にして、プロ初登板で敗れた相手にリベンジも果たした。2年前とは違うステージで躍動し、「すごく充実しています」と語る表情は非常にさわやかだ。

 プロの一軍生活を送る18歳の夏。早実の1年生スラッガー・清宮幸太郎の規格外の打撃などで沸いた今年の甲子園もよく目にしたという。

「ロッカーのテレビでは、いつも甲子園中継が映っていましたから。じっくりと見ることはなかったですけど、ちょくちょく見てはいました」

 夏の甲子園で頂点に輝いてから700日以上が過ぎた。野球が仕事となったいま、自身の中ではすでに「懐かしい」という感情が芽生えている。清宮のほかにも話題となった選手が多々生まれたが、そのプレーを見た選手はいたか聞いてみるとオコエ瑠偉(関東一)の名前が挙がった。

「準々決勝(対興南)で放った決勝2ランを見ました。すごい一撃でしたよね。打った後、バットもすごく飛ばして(笑)。実はオコエとは去年、練習試合で対戦したことがあったんですよ。そこまでは覚えていないんですけど、確か内野安打を打たれたんです。『まだ、2年生なんだ、すごいな』と妙に印象に残ったんですよね」

 プロ入りを表明しているオコエだが、今秋のドラフトを経て、敵チームに入っていつかはプロの舞台で高橋光と対戦することになるのか、はたまた同じユニフォームを着ることになるのか――。いまは、神のみぞ知ることだ。それはさておき、高橋光は今大会注目度No.1だった清宮の打撃を見ることはなかったのだろうか。

「ニュースで弾丸ライナーのホームランを見ました(3回戦対東海大甲府)。でも、まだ1年生ですからね。清宮君は慣れていて問題ないかもしれませんが、僕は2年生で優勝して、そこからいろいろと苦労した部分があったので……」

優勝投手となり天狗になりかけた


高校2年時、6試合に投げ、防御率0.36と見事な投球で全国制覇を果たした



 あの夏、一気にスターダムを駆け上がり、まさに「人生が大きく変わった」という・・・

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