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Vやで!阪神タイガース大特集

就任4年目で見えた和田采配の変化

 

優勝争いの主役は間違いなく阪神だ。ベテラン選手の勝負強さ、若手選手の台頭……。要因はさまざまだが、勝負どころでの和田監督の采配が、勝敗に大きく影響を及ぼしていることは間違いない。13、14年は2位という悔しさを味わった指揮官が見せる今季の変化。その目には確かに優勝の2文字が見えている――。



勝負どころを見極める


 悲願のリーグ制覇に賭ける執念が猛虎に、そして和田豊監督に宿っている。

 8月18日からの巨人3連戦(東京ドーム)で3連敗を喫した後、21日からのDeNA戦(京セラドーム)で同一カード3連勝を飾り、息を吹き返した。一度は2位・巨人に0.5ゲーム差まで迫られたが、再び2.5ゲーム差まで引き離した。

「3タテを食らったけど、逆にチームが結束して『もう1回やるぞ』という気持ちが出てきた。俺も毎試合、毎試合言うけど、選手たちも『今日の試合を一戦、一戦』という気持ちでやってくれている」

 和田監督も頼もしいナインの姿に大きな手応えをつかんでいる。幾多の苦難を乗り越え、阪神が10年ぶりのペナント奪回に向け、首位の座を守り抜いている。

 史上希に見る混戦が繰り広げられるセ・リーグにおいて、和田阪神も摩訶不思議なシーズンを送ってきた。

 シーズン序盤は打線が波に乗れず、5月上旬には最下位まで沈んだ。その後、チームは巻き返し、交流戦明け直後の6月24日に首位に立ったが、この時点でチーム打率.235、チーム防御率3.79はともにリーグ最下位。得失点はマイナス72と軒並み低調な数字が並んでいた。苦しい戦いを強いられる中、指揮官は冷静にチームの状況を分析していた。

「接戦には勝てて、負ければ大敗というのがこういう数字になっている。本当はビハインドのゲームで先発が降板したときに、踏ん張れる中継ぎ投手が出てきてくれないといけないんだけどな」

 相手チームを圧倒するような横綱相撲は望めない。だからこそ、和田監督は今季、僅差の展開で一気に勝負をかける場面が目立っている・・・

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