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特集・2015ドラフト大展望

 

8強に進出したセンバツに続く甲子園出場を目指した今夏は、岐阜大会準決勝で敗退した。開幕直前に起こした故障により1試合の救援登板、わずか1回2/3で最後の夏を終えている。その後、最速152キロを誇るドラフトの主役の動向に注目が集まっていたが、侍ジャパンに選出されたU-18ワールドカップで復調ぶりをアピールし、周囲の心配を一掃した。“運命の日”を前にした心境を、荒木大輔氏が本音を引き出した。
取材・構成=岡本朋祐、写真=桜井ひとし

1位へのこだわりより最高峰の世界に入ること


 昨年11月に完成した室内練習場は約800平方メートルでブルペンも併設され、公立校としては恵まれた環境にある。昨年7月末から母校を率いる県岐阜商・小川信和監督は「純平の城みたいなものですよ」と冗談交じりに言うが、冬場はここを有効活用。センバツ8強進出はその成果にほかならない。取材日はあいにくの雨。ユニフォームに着替えた高橋純平は1、2年生の新チーム本隊とは離れて入念なウォーミングアップ。夏の県大会直開幕前に故障した左太もも痛の影響により、甲子園春夏連続出場を逃した。ケガの代償はあまりに大きかったが、今後の長い野球人生を見据えれば、体と向き合う貴重な時間となった。高橋には一流選手の条件の一つである「考える力」があるのだ。

日本で開催されたU-18ワールドカップ(銀メダル)では救援を任され復調をアピールし、ネット裏で視察したスカウト陣を安心させた[写真=毛受亮介]



荒木 U-18ワールドカップ以降、練習はどんなペースでやっている?

高橋 ボールを使ったメニューは週1回で、あとはスポーツジムに通ってウエート・トレーニングを3回、残り2日間は水泳をしています。

荒木 自分もプロ入りしてから経験したけど、下半身の故障が肩ヒジに派生することがよくある。結局はフォームのバランスが悪くなるから。そのあたりを意識しているのかな?

高橋 はい。だから、あまり投げていないです。

荒木 自分らが高校生のころは夏が終わると、しばらく野球から離れたくなったけど、どうなのかな?

高橋 そういうのはないです。ドラフトに向けて体力も落としたくないですし、維持向上している感じです。

荒木 U-18ワールドカップの大会直後(9月8日)にプロ志望届を提出。大学、社会人も選択肢にあったそうだけど、最終的な決め手は?

高橋 一番、レベルの高い場所に飛び込んでみたいと思いました。高いレベルの選手と接した高校日本代表を通じ、周りから刺激も受けました。

荒木 周囲から「ドラフト1位候補」と言われ、どう受け止めている?

高橋 センバツ前から取材が一気に増えたんですが、今も実感がないのが正直なところです。

荒木 1位へのこだわりは?

高橋 1位ならいいな、というのはありますが、一番の目標はプロの世界に入りたい。何位でも大丈夫です。

荒木 複数のNPBスカウトから高橋君の話を聞いても「高校生No.1右腕」の評価ですが……。

高橋 うれしいですが、まったくそうは思わないです。高校日本代表で好投手をたくさん見てきましたので。

荒木 すごいと思った投手は?

高橋 上野(翔太郎、中京大中京、大学進学)の真っすぐですかね。自分とは球質が違い、球速表示以上のキレがある。体の使い方がうまいと思います。左では小笠原(慎之介)はやはり、インパクトがありました。

荒木 野手で印象に残ったのは?

高橋 木製バットで本塁打も打った勝俣(翔貴、東海大菅生)の打撃は安定していましたね。あとはオコエ(瑠偉、関東一)の足。岐阜にはいない。あれはビックリしました。

荒木 好きな投手はいるのかな?

高橋 阪神の・・・

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