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特集・2015ドラフト総決算
ソフトバンク1位・高橋純平「エースになれるように頑張る」

 

文=鶴田成秀、写真=受毛亮介

大器の右腕が描く壮大な“未来予想図”


 緊張と期待が入り交じる。ドラフト会議開始30前の16時30分――。会見場となった県岐阜商高のメディアホールに現れた高橋純平は、小さく深呼吸をすると、檀上の椅子に着席。テレビカメラ14台、報道陣120人が詰めかけた会場は、緊張感が漂っていた。今ドラフトの目玉である右腕は果たして、どの球団へ進むのか――。

チームメートに胴上げされる高橋。今季、独走Vでリーグ連覇を遂げるなど、黄金期を築きつつあるソフトバンクでエース獲得を誓う



 その名を全国に轟かせたのは今春のセンバツ。3試合で26三振を奪った最速152キロを誇るストレートに加え、カーブ、スライダーなどキレのある変化球を披露。相手バットは面白いように空を切った。だが、連投となった浦和学院高との準々決勝では11安打を浴びて5失点で敗戦。

「自分のストレートが投げられた。でも、夏は『勝ち』にこだわりたい」

 全国制覇へ。夏は岐阜大会から注目を集めたが、大会前に左太もも裏の肉離れで登板はわずか1回2/3。チームは準決勝で敗れ、高校野球は幕を閉じた。しかし、「もう一度、高校野球をやる機会をもらえた」。夏の甲子園大会終了後に開催されたU-18ワールドカップの日本代表メンバーに選出。その世界舞台はエース番号「18」を背負うも、登板は3試合で計4イニングのみだった。

「監督に任せられたという実感はなかったです。大事な一戦を任せられるような投手にならなければダメ」

 その悔しさ以上に、同世代の投手に刺激を受けた。中京大中京高・上野翔太郎の投球を見て「数字じゃないスピードのキレが大事」と感じれば、秋田商高・成田翔からは「背が低いけど、下半身がしっかりしている。自分は体がきゃしゃ」と、得たものは自信や経験よりも“課題”。だからこそ、強化すべき点が明確に。岐阜に戻ると週に3度ジムへ通って下半身を強化。後輩に交じって野球部の練習にも参加しながら、体幹強化のメニューをこなした。新チームのエースで、今秋の東海大会へ導いた2年生の村橋主晟は言う。

「2日に1回くらい練習に来ていて、純平さんにいろいろ教えてもらいました。とくに言われたのが・・・

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