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特集・日本一へ!再飛翔する燕戦士
ヤクルト・雄平インタビュー「もう来年のことしか頭にない」

 

今季最大の喜びと最大の悔しさを約1カ月の間に味わった。それも、打席の中で――。リーグ優勝を決めるV打を放ち、日本シリーズ最後の打者となった雄平は、いま何を思いバットを振っているのだろうか。今季苦しみ続けた男が味わった天国と地獄。そして来季に懸ける思いに迫る
取材・構成=阿部ちはる、写真=川口洋邦(インタビュー)、BBM

試行錯誤のシーズン


 チームは優勝という最高の結果を得たが、雄平個人としては、納得のいかないシーズンだった。打撃面で昨季から大幅に数字がダウン。とはいえ、レギュラーとしてシーズンを戦い抜いた男が、秋季キャンプに参加していることには驚いた。

――日本シリーズ終了の約1週間後から、秋季キャンプがスタートしました。長いシーズンを戦い抜き、疲れもあるかと思いますが、休みたい気持ちはなかったのでしょうか。

雄平 休みたいとはまったく思わなかったですね。自分のやるべきことはたくさんありますから。日本シリーズが終わったら次の年がスタートするという気持ちでいたので、早く練習したい、という感じでした。

――今年1年はご自身の中でどのようなシーズンだったのでしょうか。

雄平 なかなか思うようにいかないこともたくさんあったのですが、技術的にも、メンタル的にもいろいろな試行錯誤をした中で何とか1年間乗り越えた感じです。すごく勉強になりましたし内容が濃かったです。

――スタメン落ちも経験しました。

雄平 昨年もスタメン落ちはありましたが、1年間認めてもらって試合に出させてもらうということは、とても大変なことなんだということをあらためて感じました。やっぱりもっと信頼されて、チームの力として出てほしいと思ってもらえるようなプレーを続けていきたいなと思いますし、そういう選手になりたいです。

――この1年間を一言で表現すると、達成感、悔しさ、喜び、どの感情が一番当てはまりますか。

雄平 強烈に全部ありますね。優勝できましたから、達成感も昨年よりすごくあります。でも、その中で個人的にはすごく悔しい気持ちもあります。どちらも同じくらい大きくありますが、結果的にはすごく良いシーズンだったなと思います。

――リーグ優勝を決める一打を放ったのが雄平選手でした。優勝のかかった10月2日の阪神戦(神宮)、11回二死一、三塁で右翼線へサヨナラ打。あの場面ではどういったことを考えて打席に立ったのでしょうか。

雄平 決めたい気持ちはもちろんすごくありましたが、あまり打ちたい、打ちたいとならないように。狙い球を絞ることや、状況を確認して、意外に冷静に打席には入れましたね。

10月2日の阪神戦では優勝を決めるサヨナラ打を放ち、喜びを爆発させた。「ホッとしました」



――打った瞬間は覚えていますか。

雄平 打ったときはもう頭が真っ白でしたね(笑)。打って、抜けて・・・

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