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特集・2016年球界大展望
大学野球展望 注目は創価大・田中正義の異次元の投球

 

2016年の大学球界は創価大・田中正義(4年・創価)が最大の脚光を浴びるのは間違いない。最速156キロを誇る本格派は学生レベルで打つことは困難との声が上がるほど、実力は群を抜く。このほかプロ注目選手を中心に、大学野球界を展望する。(学年表記は16年4月からの新学年)

高校時代に続いての主将が「大学日本一」を宣言


 156キロ右腕を攻略するチームは現れるのか――。2016年の大学球界の興味はこの1点に尽きる。創価大・田中正義(4年・創価)は2016年のドラフト戦線において頭一つ抜けている。複数のスカウトに聞いても15年のドラフト対象選手と同じ土俵に立ったとしても「1位競合間違いなし」と言われた逸材だ。創価高1年時に右肩を痛めた影響から、主戦の立場は同級生の池田隆英(創価大4年)に任せ、2年秋以降は四番・中堅手(主将)で出場していた。

 投手に戻った創価大では1年間、トレーニング期間に充て2年春にリーグ戦デビュー。大学選手権では150キロ台を連発して、侍ジャパン大学代表入り。3年時は春秋とも全国舞台を逃したとはいえ、東京新大学リーグでは春、秋とも各6勝無敗。春のシーズンから50イニング連続無失点で秋のシーズンを終えている。大学日本代表においては3年生ながらエースの立場を任され、ユニバーシアード(韓国・光州)では金メダル獲得(台湾と同時優勝)に貢献。雨天中止となった台湾との決勝は、先発としてスタンバイしていただけに、田中個人としては悔やまれる“優勝”だったに違いない。

 すでにプロ選手を相手にしても結果を残している。若手を主体としたNPB選抜とのユニバーシアード壮行試合(6月29日、神宮)で、打者12人から7者連続を含む8奪三振。4イニングをパーフェクトに抑え込んで、2016年のドラフト1位を確実とした。15年秋、明治神宮大会出場をかけた関東代表決定戦においても“格の違い”を披露。関東学院大との準々決勝を10奪三振で1失点完投。翌日の上武大との準決勝では3点を先制された5回途中から救援すると、打者16人から11奪三振(4回2/3、1安打無失点)。異次元のピッチングを見せている。もはや大学生相手においては「無敵」と言っていい。最終学年の目標として「大学日本一」を公言しており、来春の東京新大学リーグ戦では、いかに援護に恵まれるか。また、2回戦ではリードした展開での救援登板も辞さないだろう。新チームからは自ら志願して主将に就任。文字通り大黒柱として躍動した姿が見られるはずだ。

創価大・田中は東京新大学リーグで50回無失点を継続中。156キロ右腕は年明けから露出が増えることだろう



藤浪晋太郎のスーパーサブが東京六大学現役最多18勝


 東京六大学では3人の4年生エースによるライバル関係が見逃せない・・・

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