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2016球界マネー特集
広島・黒田の6億円は高い?安い?

 

2016年、広島黒田博樹が日本球界最高年俸6億円を手にする。昨年、8年ぶりに古巣に復帰すると、“男気”で一大センセーションを巻き起こした。広島の観客動員、グッズ収入は過去最高値を更新。絶大な影響力を誇った男の真の価値を検証する。
※金額はすべて推定

赤字が許されない独立採算球団が提示した6億円




 2015年12月17日、球界に衝撃が走った。9日前に現役続行を決めていた黒田博樹がマツダ広島内で契約交渉を行い、6億円でサインした。最後の最後まで現役続行か引退かの2択で悩み続けたベテラン右腕に、広島が見せた最大限の誠意。「あの“シブチン”の広島が6億!」とファンを驚かせた。

 2016年の球界最高年俸と推測される。広島の選手が12球団トップになるのは1985年の山本浩二(当時8500万円)以来、31年ぶり。メジャー・リーガー時代、20億円近い年俸をもらっていた黒田も驚きを隠せなかった。

「前回いたときのカープでは考えられないような契約。カープだから意味がある」。広島は親会社を持たない独立採算で運営されている。赤字経営が許されないため、これまで巨人阪神などの金満球団に次々とFA選手を取られていた。前回所属時にすでにチームのエース、球界を代表する投手となっていた黒田も、最高年俸は07年の2億5000万円。近年は地元だけでなく、全国で広島人気が高まり、“カープ女子”という言葉も生まれるほど支持を集めるようになった。

 だが、40代で6億円の大台に到達するのは球界初のことだ。果たして今季41歳となる右腕に対し、“6億円”という評価は妥当なのか――。

 昨季、黒田は右足くるぶしの炎症と右肩痛のため2度登録を抹消されながら、26試合(169回2/3)に登板し、11勝8敗、防御率2.55の成績を残した。リーグで見ると先発登板数は8位、勝ち星は6位、防御率は同7位だ。数字だけを見れば、前年からの2億円増、6億円は破格の条件と感じる者がいるかもしれない。

広島の街に、チームに黒田が与えた高揚感




黒田効果もあり、15年のマツダスタジアムの広島主催試合は平均2万9722人の観衆で埋まった



 しかし、鈴木清明球団本部長は「単純に成績だけの評価というわけにはいかない」と説明した・・・

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