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特集・春季キャンプ徹底攻略!
巨人・田口麗斗インタビュー「キャンプでのテーマはアピール」

 

20歳のサウスポーが先発ローテ入りを堂々宣言だ。まだ、10代だった15年は、ローテの谷間やスクランブルでの出番が主だったが、それでも12試合の先発登板の機会をつかみ、3勝をマークした。初先発で果たした“10代でのプロ初登板初勝利”は、ジャイアンツ史上7人目の快挙。上々のデビューを飾った田口麗斗は、これらの得難い経験を、どう3年目のシーズンに生かすのか。約1カ月におよぶハワイ自主トレから帰国した左腕に話を聞いた。
取材・構成=坂本匠、写真=高塩隆、BBM



1回8安打7失点。ハワイ行きのキッカケ


1月下旬のジャイアンツ球場はにぎやかだ。恒例の一軍合同トレーニングが行われる、宮崎への出発を控えた最終調整のため、各地へ飛んでいた選手たちが続々と帰京。雪の残るグラウンドで、思い思いの時間を過ごしている。12月16日から西村健太朗らとともに約1カ月に及ぶハワイトレを敢行した、田口麗斗もその1人。前年の“失敗”を猛省、タフな体を作り上げてきた。初めての一軍キャンプスタートも決定しており、昨季つかみ切れなかった先発ローテ取りへ、思いを馳せる。

――プロ入り2度目のオフを経て、体がガッシリとしたように見えます。

田口 強い体作りをテーマにトレーニングをしてきました。充実した時間を過ごせたと思います。

――西村選手とともに日本を飛び出し、ハワイでの長期合同トレでした。

田口 きっかけは去年の、初めてのオフにしてしまったミスです(苦笑)。地元に戻っていたのですが、正直、練習が足りていませんでした。東京に戻って、みんなに「太ったな」とあきれられて。練習不足が最悪の形で出てしまったのが、宮崎キャンプ中の紅白戦です。二軍から呼んでもらったのに、1回を8安打7失点。あの日のことは忘れられません。

――広島の同郷の西村選手には、合同トレを直訴したのですか。

田口 実は昨年の紅白戦の出来事があった直後、「来年は俺が面倒を見るから」と声を掛けていただいていたんです。1カ月の間、いろいろなお話も聞けましたし、本当に感謝しています。体も動いていますし、昨年とはまるで違いますね(苦笑)。

――「強い体作り」がテーマとのことでしたが、ハワイではどのようなスケジュールでトレーニングを。

田口 朝から練習ですが、特別なことではなく、ランニング、キャッチボールなど、一つひとつの基本的なメニューの質を高めて。あとウエート・トレーニングを重点的にやりました。毎回、次の日は筋肉痛が来るくらい、みっちりと。ウエートは嫌いだったんですが去年、一軍でプレーしてみて体をキープする上でも必要かなと。それに1年間戦える体を持たないと、常に良いパフォーマンスはできないですからね。

――食事もその一環だったとか。

田口 キツかったです。朝・昼は日本の方が経営しているカフェで、特別にアスリート向けの食事を作っていただいたんですが、量がハンパない。最初は食べ切るのも苦労していました。ただ、1カ月毎日ですから、最後のほうは体の違いを感じることができるようになっていました。オフを経て実際、どの程度変化があるのか、キャンプに入ってからが一番、分かると思うので、早くユニフォームが着たいですね。去年は、ちょっとおびえていましたけどね(苦笑)。

ハワイから帰国後は宮崎入りの直前までジャイアンツ球場でトレーニング。オフ期間の充実が見てとれる(写真左は戸根千明、中は高木勇人



お手本は杉内俊哉、奪三振記録が目標


15年、最悪のスタートとなってしまった田口は開幕を二軍で迎えていた。しかし、イースタン・リーグでは3月14日の初登板から2連勝、15イニングを自責点1、9奪三振で、再び一軍首脳の目に留まることになる。4月11日(ヤクルト戦、東京ドーム)、不調の大竹寛に代わり、初昇格でプロ初登板初先発を任されると、自ら適時打、投げても7回を無四球1失点のパフォーマンスでプロ初勝利。上々のデビューを飾った。

――一軍デビューした昨季を振り返って、頭に浮かぶことは何ですか。

田口 1年間・・・

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