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特集・2016春季キャンプレポート
広島ドライチ・岡田明丈「チャンスを確実につかみたい」

 

ドラフト1位で入団した期待のルーキー。エースが抜けた今季、その右腕にも当然、大きな比重がかかる。武器は最速153キロの直球。現時点で起用法は明確になっていないが、先発でもリリーフでも、戦力となる必要がある。2016年、25年ぶりのリーグ優勝を懸けて戦う広島のカギを握る男だ。
取材・構成=菊池仁志、写真=川口洋邦、前島進

キャンプ初日からブルペンで力強いボールを投げ込んだ岡田。将来、チームを背負って立つ逸材だ



役割にこだわりなし、全力でチームに尽くす


今季の広島に前田健太はいない。昨季、エースが積み上げた15勝、206回1/3はスッポリ抜け落ちている。投手陣一丸でその数字を埋めなければ25年ぶりのリーグ優勝はもちろん、昨年逃したAクラス入りもない。その投手陣にあって、未知な分、期待度も高いドラフト1位右腕がキャンプインを迎えた。

 いよいよ、キャンプが始まりました。大学(大商大)での最後の試合が終わった後は、大学の施設でトレーニングを積み、1月に入寮しました。初めての寮生活です。生活の面ではそこが最も大きな変化。経験したことがないので、新しいことが日々起きますが、周りの方々がサポートしてくれますので、助かっています。1日中、野球ができる環境に恵まれて、身が引き締まる思いです。共同生活も新鮮で楽しいですよ。

 新人合同自主トレではキャンプに向けて体を動かしてきました。大学の試験などもあり、自主トレを抜けることもありましたが、体の面に不安はありません。すべてはキャンプが始まってからだと思って、しっかり準備することに努めてきました。まずはチームの雰囲気にとけ込むことからです。初めてのことが多くて戸惑いはありますが、慣れていかなければなりません。

 1年目で何もかもが分かっていないことなので、どうなるか想像もつきませんが、今年、自分にできることはチームの必要とするポジションに尽くすことです。勝つために、自分の力を必要としてくれるのであれば、それは光栄なことですので、全力でチームのために戦っていきます。ポジションがどこであれ、優勝に向けて頑張る心積もりです。ポジションに関するこだわりはありません。先発もリリーフも、自分ではどちらもできると思っています。最初のチャンスを確実につかんで、チームの戦力となれるようにすることが当面の目標です。

初めてのキャンプインに引き締まった表情の岡田。「先発でもリリーフでもチームに貢献する」と意気込む



 プロの1シーズンは7カ月の長丁場です。コンディションが大事になってくると思っています。体のケアの面には十分に配慮していかなければ乗り切れません。大学は春、秋、2カ月ずつの2シーズン制。その中でもボディーメンテナンスには気を配ってきました。2カ月のスパンで自分なりにはできていたつもりですけど、7カ月となると想像もつかないですね。1年目、とにかくやってみるしかない。それで分かってくることがあるでしょうから、その後の取り組みが大事になります。そうやって、ステップアップしていければいいですね。

ベースを確立し最終学年の飛躍へ


大商大時代の成績は通算30試合に投げて15勝3敗、防御率1.08。初勝利を挙げたのは3年春で、チームの主戦となったのは3年秋。それまでは大きく注目される存在ではなかった。ただ、裏を返せばそこから急成長を遂げて並み居るドラフト候補のトップ12の評価を得たことになる。大学4年の春秋で残した成績は12勝無敗、防御率0.69。圧倒的な力をつけるまでの過程に迫る。

 いま思えば、大学4年生の1年間で結果を残せたのは、自分が一番上の立場に立ったことが大きかったと思います。最上級生になり、投手キャプテンを任されました。チームを引っ張っていかなければならないと自覚したことで取り組みが変わったと思います・・・

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