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秋季練習リポート

広島・緒方孝市監督 成熟した機動力野球へ

 

日本一を懸けた争いが行われている裏で、来季の覇権奪回を目指して、その他のチームはすでに練習を再開。特に新監督就任が発表された広島楽天ヤクルト西武は指揮官の指導にも熱が入る。果たして、どのような方法で巻き返しを図るのか。この4チームの秋季練習リポートをお届けする。

継承者に課した盗塁数の増加


丸に熱い口調でレベルアップを促した緒方監督[写真提供=スポーツニッポン]



 秋晴れが新生カープの船出を鮮やかに照らし出す。10月20日、マツダスタジアムにエース・前田健太ら主力組中心の26選手が集まった。秋季練習のスタートだ。CSファーストステージで阪神に敗れ去った12日以来、8日ぶりの全体練習。練習開始の午前10時、その3分前に緒方孝市新監督が帽子を取った。外野芝生上で選手に強く語りかけた。

「今までやってきた野球を継続していく。1年、1年が確実に力になっている。このまま、この野球を続けていけば、絶対に優勝できる。そういう思いで今から動いてくれ」

 練習メニューは基礎体力作り、基本技術の反復練習が中心だ。声をそろえての全体ランニングから入念なストレッチ、外野ポール間ダッシュが続いていく。必要以上の派手さはいらない。秋季練習2日目には早くも、言葉で「緒方色」をクッキリ浮かび上がらせた。機動力と堅守。カープの伝統技を進化させる方向性だ。思いはかつて自身がつけた背番号9の継承者、丸佳浩に向けられた。

「丸はもっと走れる。今季は三番でエルドレッドの前だったり、もちろんサインであったりと状況はあったけど。丸の走力を持ってすればもっと走れるはずだし、走らせたい」

 昨季29盗塁で自身初の盗塁王に輝いた丸は今季26盗塁。相手バッテリーの警戒が強まる中、3個減は許容範囲かと思われたが、期待が大きいからこそ口調に熱がこもる。

「もちろん菊池(涼介)もいるけど、彼は内野手だし、外野手と比べれば足の疲労度が違ってくる。そんな意味でも丸にはもっと意欲的に行ってほしい。コーチと話し合って決めるけど、基本はフリーで行かせたい」

 新指揮官は現役時代、95年から97年まで3年連続で盗塁王に君臨した。外野手としては95年から99年まで5年連続でゴールデングラブ賞に輝いている。機動力と守備力を重視する流れは必然と言える。

 新監督の期待を伝え聞いた丸は「警戒されている中で走るのは厳しい面もあるけれど、相手投手のクセを把握し・・・

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