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秋季練習リポート

西武・田邊徳雄監督 現状打破するため若手に課す猛練習

 

日本一を懸けた争いが行われている裏で、来季の覇権奪回を目指して、その他のチームはすでに練習を再開。特に新監督就任が発表された広島楽天ヤクルト西武は指揮官の指導にも熱が入る。果たして、どのような方法で巻き返しを図るのか。この4チームの秋季練習リポートをお届けする。

この秋は質より量


▲監督代行を務めた流れということもあり、初日に行った田邊監督のあいさつは約30秒と短いものだったが、「みんな競争だぞ」とこれからのチーム作りについての方向性を示した[写真=菅原淳]



 最下位・楽天とは1ゲーム差、5年ぶりのBクラスとなった西武は10 月14日、本拠地の西武ドームで秋季練習をスタートさせた。第1クールこそ、ウォームアップ、ランニング程度の軽いメニューだったが、第2クールからは本格的に打撃練習などを開始。宮崎でのフェニックス・リーグに参加した若手選手は27日の最終戦後に一時本拠地の所沢に戻って合流し、11月6日から宮崎・南郷での秋季キャンプに入る。

 主力、ベテランが集まった秋季練習初日には田邊徳雄監督が短いあいさつの中で「みんな競争だぞ」と来季に向けてのチーム作りについて示唆。若手選手たちが合流したあとには、「今年の反省を踏まえて、ハードな練習に入る」と徹底的に鍛えることを明かしている。伊原春樹前監督は「合理的に」という考え方で、昨年は秋季キャンプから早出練習や夜間練習を禁止し、練習の時短を図った。しかし、いざシーズンが開幕すると、調子の上がらない選手が続出し、それが最後まで尾を引く形となった。ほかと比べても若手が多いチーム構成だけに、練習量が必要という方針転換は自然な流れでもあるだろう。

 厳しい練習を求める裏には、今季、台頭を期待した若手が伸び悩んだ事情もある。当初は遊撃に2年目の金子侑司を起用するも、打撃不振やケガなどで定着に至らず、3年目の永江恭平も打撃の課題を抱える。結局、遊撃で最多出場がベテラン34歳の渡辺直人で、終盤は31歳の鬼崎裕司と併用。来季を見据え、フェニックス・リーグでは、外野手の熊代聖人が遊撃にコンバートされ、若手内野陣の競争に飛び込んでいる。また、田邊監督は強化指定選手に野手転向3年目を迎える木村文紀、7年目25歳の梅田尚通を挙げる。木村は今季10本塁打、一軍に定着しつつあり、梅田は10月2日の日本ハム戦(西武ドーム)で、プロ初安打が満塁弾。新指揮官は

「軽くやって受けて立てるようなチームではない。この秋は質より量」と若手に猛練習を促す。
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