野球好きな著名人に野球に対する熱い思いを語ってもらう、「極上! わが野球愛」が不定期掲載で再スタート。今回、ご登場いただくのはロックバンド「クリープハイプ」のボーカルである尾崎世界観さん。熱狂的ヤクルトファンである尾崎さんが感じている野球の魅力とは? 取材・構成=小林光男 写真=大泉謙也 テレビの音量を小さくしてヤクルトの応援歌を流す
──尾崎さんが野球好きになった理由は?
尾崎 まず小学2年生のころ、ヤクルトファンの父に無理やり神宮に連れて行かれて。そのときは人も多く、うるさいし、嫌で泣いて帰りたい、と。ルールも分からないし、打った後にバットを高く放り上げたら、周囲が盛り上がっていたので、そうやったら点が入るのかと思っていました。そのシーンはのちに判明したんですけど、
巨人の原(辰徳)選手が9回に同点2ランを放ち、興奮のあまりバットを放り上げた有名なシーンだったんです(92年7月5日)。まあ、最初はそんな感じでしたけど、その年はヤクルトも強かったですし、見るようになって。久しぶりに優勝もし、父が優勝記念号を買ってきてくれて、分からないなりにそれを夢中に読んだ記憶があります。
──日本シリーズでは
西武と対戦。
尾崎 初戦、杉浦(亨)選手が12回裏に史上初の代打満塁サヨナラ本塁打。それがすごくカッコ良くて。当時はすべてデーゲームで、学校から家に帰ってテレビにかじりついていましたね。3勝3敗の第7戦、10回表に秋山(幸二)選手に決勝犠飛を打たれたのは本当に悔しかった。どんどん野球にのめり込んでいきましたね。翌年の日本シリーズも同じ顔合わせで、再び3勝3敗で第7戦へ。そのときどうしても学校に行く用事があって、通学路にある電器屋のテレビで見ていましたけど、でも、時間が迫ってきて。走って、もう少し先のリサイクルショップのテレビで日本一の瞬間を見たんですよね。
──そもそも父親がヤクルトを好きになったのは、なぜ?
尾崎 父は鹿児島県出身で、当時はヤクルトがそこでキャンプをやっていて。幼いころ見に行ったら、雨が降ってきて、控え捕手の人が「濡れちゃうから帰りなさい」と言って、ボールをセーターに入れてくれたそうなんです。それがうれしかったみたいで。ヤクルトのハッピを着て、父とは本当によく一緒に神宮へ行って。あるとき、帰り道で父が握手を求めた人がいたんです。誰かと思ったら・・・
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