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シリーズ 逆襲を誓う男たち

西武 牧田和久 粘り強く、勝つために

 



5年ぶりのBクラスに沈んだ西武は、宮崎・南郷での秋季キャンプを11月20日に打ち上げた。チーム防御率はリーグ3位もリーグ最多の与四球、チーム打率は最下位とさまざまな面で課題を露呈した今季を終え、若手選手たちの練習は厳しいものとなった。逆襲のための道は決して平坦ではない。選手会長を務めた牧田和久に今季を振り返ってもらい、来季の逆襲へのカギを語ってもらった。自身も悔いの残るシーズンに、その目はすでに来季を見つめていた。
取材・構成=田辺由紀子 写真=金城聖子、BBM

悔いの残るシーズン


 シーズン序盤のつまずきから立ち直れず、苦しい戦いが続いたチームの中で、ただ一人先発ローテーションを守り切った。プロ4年目の30歳は、同い年の岸孝之とともに投手陣の柱となったと言っていい。しかし、11年に新人王を獲得したサブマリンにとって、8勝9敗、防御率3・74という成績は決して満足するものではない。「今季、印象に残っている試合」を挙げるのに困るほど、悔いや歯がゆさの方が色濃く心に残っている。

 今季は先発ローテーションを守ったといっても、8勝9敗と貯金を作れなかったのはまず悔いが残ります。勝敗は昨年と同じですが、防御率は昨年よりも悪かったですし。チーム自体も5位で終わってしまって、納得のいく1年だったなとは思えないですね。

 勝ち星というのはピッチャー一人で作れるものではなく、一方、防御率がよいということはそれだけ打たれていない、点を与えていないということなので、自分としてはそこを重視しています。シーズン序盤は悪くはなかったのですが(5試合で防御率1点台)、自分の傾向として毎年夏にどうしても調子が崩れて、そこからズルズルいってしまう。シーズンの後半、一番踏ん張らなければいけないところでダメだと意味がないですよね。

 勝ちに恵まれなかった? 自分は勝ち運がないというか(笑)、そういう巡り合わせなのかなと。まあ、相手もいいピッチャーだと、当然味方の野手が打てないときも出てくるので、そこはしょうがないのかなと。自分ではそれほど気にしていないんです。

 ただ、自分が投げていないときに試合を見ていて、今季は投打がかみ合わないことが多いと感じていたことも事実です。ほかのピッチャーが粘っているなかで、バッターが簡単に甘い球を見逃して三振してしまったりだとか、もちろん逆もあって、バッターが点を取ってリードしたすぐあとにピッチャーがフォアボールを出して悪い流れを作ってしまったり……。

 チームプレーなので、かみ合わないことももちろんあるのですが、強いチームはピッチャーが打たれても野手が相手に負けじと打つ、野手が打てないときにはピッチャーがしっかり抑えるということができている。実際に、優勝したソフトバンクはそういうところがありましたよね。

 印象に残っている試合は……今年に関しては特にないんですよ。強いて言うなら、岸(孝之)の・・・

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