メジャー移籍を断念し、阪神残留が決まった鳥谷敬が、1月22日に甲子園球場内の室内練習場で自主トレを公開。その後、契約更改を行い、あらためて阪神タイガースの選手としてリ・スタートを切った。

「一番は優勝。まだ1度も日本一になっていない。リーグ優勝した2年目(2005年)はベテランの方々に優勝させてもらった。年を重ねる中で優勝できていない。決めるときに、そこが一番大きかった」



　残留を決めた大きな理由は、昨年逃した日本一への思いだった。主将としてチームを率いた日本シリーズという大舞台。1勝4敗という悔しい結果に終わったことが、心に残っており、後輩たちとともに日本一を目指すことを決断。契約更改では5年20億円(推定)でサインした。「本当に阪神で優勝したいという気持ちを強く持ったので、阪神で終われたらな、と」。今年34歳となるため、メジャー挑戦の夢をあきらめ、生涯阪神で日本一を目指すことを決心した。



　恒例の沖縄自主トレも順調だった。「しっかり動ける準備をしてきたので技術的なモノをシーズンまでに仕上げたい」と充実した日々を送ってきた。日焼けがその仕上がりぶりを表していた。22日は、キャッチボール、ティーバッティングなどを約4時間行った。

　阪神創設80年の年に、主将が新たな決意でシーズンに臨む。10年ぶりのリーグ優勝に30年ぶりの日本一を目指すには鳥谷の存在は欠かせない。主将の気持ちがナインに伝われば、大きなチーム力となっていくはずだ。「続けたい」と話す連続試出場は現在歴代3位、現役最長の1466試合。「今年はリーグ優勝して日本一になりたい」。今季も144試合すべてでキャプテンシーを発揮し、強い気持ちで阪神に歓喜を呼び込むつもりだ。