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2015侍ジャパンニュース

“プレミア12” 11月に日台共催で初開催

 

野球世界一を決める新たな大会の誕生だ。13年4月に発足したばかりの世界野球ソフトボール連盟(WBSC。国際野球連盟[IBAF]と国際ソフトボール連盟[ISF]が統合。現在は移行期間で両組織ともに存続)が主催する大会で、世界ランキング上位12カ国に参加資格が与えられる。4年に1度の開催で、ワールド・ベースボール・クラシックと並び、最上位の大会と位置付けられるという。
[写真=高原由佳]



2019は五輪予選


 11月(8日〜21日)に初開催される野球の国際大会“プレミア12(トゥエルブ)”の記者会見が1月19日、都内ホテルで行われ、世界野球ソフトボール連盟(WBSC)のリカルド・フラッカリ会長が日本と台湾の共催を発表した。当初は台湾に単独での開催権が与えられていたが、11月8日の開幕戦、準決勝、3位決定戦、決勝が日本で行われることに。会見にゲスト参加した侍ジャパンの小久保裕紀監督は「オリンピックが2020年に東京で開催されることが決まって、野球・ソフトボールが競技復活を目指すにあたり、今、世界各国で野球が行われていることをアピールすることが大切」と五輪に関連付けて、日台共催を歓迎した。

 小久保監督が語るように、新たな世界大会は五輪の競技復活へとつなげる重要な機会である。そのためにも、これまで3回行われてきたワールド・ベースボール・クラシックと同様に、各国フルメンバーでの世界一の称号を懸けた戦いが求められている。ここで懸念されるのが日本を含めてMLB球団に籍を置く各国主力級選手たちのメンバー派遣で、彼らが不参加では大会自体の質に問題が生じる。これにはフラッカリ会長も「2月にMLBの関係者とメンバー派遣についても話し合う」と最優先に取り組む予定で、「11月開催はシーズン終了後でハードルも取り除いた」と自信をのぞかせる。

 また、20年に東京五輪で野球・ソフトボールが競技復帰した場合、19年に開催予定の“第2回プレミア12”を五輪予選に充てる考えを明かしており、「4チームをプレミア12から選び、残りのチームは各大陸予選から選ぶ。本当に強いチームの出場を保証するベストなやり方ではないかと考えている」と、大会の価値向上についても抜かりはない。

日本は野球国力1位


 出場資格について見ていく。第2回以降は五輪予選を兼ねるプレミアムな大会だが、世界ランキング上位12位までの国・地域に出場権が付与される。そのランキング算出方法が独特。例えばサッカーのFIFAランキング(世界ランキング)はトップチームの大会成績や国際Aマッチ(親善試合を含む)の成績をもとにポイント化されているが、“WBSC世界野球ランキング”はトップチームだけではなく、アンダー・カテゴリー(世代)の大会結果までがポイント対象となる。

 例えば、今回、日本は2位のアメリカに19.16ポイント差をつけてランキング1位で出場権を得たが、仮に11年の第15回AA世界野球選手権大会(15U世代)の3位=30ポイントがなければ、単純にマイナス30ポイントで“1位”ではなかった可能性がある。日本の総ポイントの785.18点の内訳を見ても、トップチーム代表が獲得した290点は全体の36.9%に過ぎない。WBSCも“プレミア12”はトップチームの強さだけではなく、アンダー・カテゴリーまでを含めた“国全体の野球力(野球国力)”上位12カ国が出場する大会であることを強調する。

 日本はトップチームだけではなく、全てのカテゴリーでコンスタントに好成績を収めた結果、ランキング1位の名誉を手に入れたわけだが、今後はこの地位を維持するためにも、より一層各カテゴリーの強化が必要となってくる。また、“プレミア12”優勝チームには国際大会の中でも最も多くのポイントが与えられることとなっており、NPBの熊崎勝彦コミッショナーも「侍ジャパントップチームは、野球国力1位の誇りを胸に、優勝、世界一を目指す」と強い決意を示した。
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