中堅手として初のゴールデングラブ賞を獲得した大和。日本シリーズでの美技の数々は野球ファンを魅了した。ただ、一方で打撃で貢献できず課題を残した。そこで秋季キャンプから打撃フォーム改造を行い、送りバント以外の攻撃も仕掛けられる打者を目指す。その部分が確立されなければ、阪神創設80周年目での日本一は現実味を帯びてこない。それだけ猛虎打線のカギを握る選手なのだ。 取材・構成=椎屋博幸、写真=前島進 送りバントだけではダメ
――キャンプイン前から「二番」にこだわりたいという趣旨の発言をされていました。
大和 正直「二番」と口に出して言ってはいましたが……打ちたいことは打ちたいんですが、チームの兼ね合いを考えると、そこまで二番にこだわっているのではなく、ベストを尽くせる打順で頑張りたいというのが本音ですね。
――「二番を打ちたい」と言った理由があるのでは、と思うんですが。
大和 下位打線よりは、二番という上位打線でチャンスが作れるというのは、すごくやりがいのある場所だなとは思っているので。だから、そこが打てたらいいですよね。
――チームの打線を考えても二番がいい。
大和 そこは……監督、コーチが考えることではあるんですが、その中で自分がそこにハマればいいとは思っていますね。
――七番、八番の可能性も高いと思います。
大和 そうですね。チームにフィットするのであれば、実のところ打順にはこだわってはいないですね。
――その中で、何が今年の大和選手には大事だと思われますか?
大和 昨年に限っては送りバントがすごく多かったんです。それ自体悪いことではないんですが、個人的には攻撃の面でそれしかできなかったということです。つまりバントでしか打撃に貢献できていないと感じました。そのために、チームとしても攻められるところで攻められなかったのかなあ、と感じました。これってチームと自分との信頼関係だと思うんです。それができなかったことが心残りのシーズンでもありました。
――本当だったらエンドランや強攻策で良い場面でも送りバントのサインが出た。
大和 そうですね。エンドランのサインが何度か出たときは「ああ、信頼されているんだな」と思いました。また、エンドランが決まったときは、チームに勢いがつきます。ただ送ってランナー二塁にして、1アウトを献上してしまう。一方でエンドランを仕掛けて1アウトになるのでは、チームの攻撃での勢いがまったく違うと思うんです。そういう部分で動ける打者でありたいんです。
――打撃フォームを少し変えたと聞きました。
大和 はい、変えました。実際に変えて・・・
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