開幕直後に7連敗を喫するなど、前評判の高かった広島が苦しんでいる。しかし、4月8日の巨人戦から今季初の3連勝。投手力を前面に接戦をモノにしてきた。その投手陣の中心にいる背番号15。3試合目の登板となった甲子園は制球に苦しんだが、引き出しの多さで2勝目を手に入れた。 文=前原淳 写真=佐藤真一 今季初の3連勝に導く
8年ぶりに聖地のマウンドに立った黒田は本調子ではなかったものの、勝利を引き寄せる投球で2勝目
4月11日の
阪神戦(甲子園)、100球を超えても、40歳の
黒田博樹は149キロを連発した。4点を勝ち越した直後の6回裏。3連打で1点を返され、なおも一死満塁とピンチは続いた。
しかし、「あそこは、一つひとつアウトカウントを増やすことだけを考えた」。代打・
新井良太をまったくタイミングの合っていないスライダーで空を切らせると、この日の116球目、148キロのツーシームで代打・
関本賢太郎を中飛に打ち取った。今季2勝目でチームに今季初の敵地勝利とともに、3連勝をもたらした。
本調子ではなかった。初対戦の阪神打線への警戒心と自分の状態から、立ち上がりから慎重になった。「球の出し入れをしようとしたが、ちょっと細かいところでボールになった」。
1点リードの2回一死走者なし。メジャー・リーグ時代の対戦打率が3割超えの
福留孝介に右翼席へ同点弾を運ばれた。
43.178センチのホームベースを広く見せる組み立ては悪くなかった。内角に食い込むカットボール、外角には逃げるツーシームで、フルカウント。決め球に選んだのは、内角のボールからストライクとなるツーシーム。俗に言う「フロントドア」だった・・・
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