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筒香嘉智&山崎康晃 2人の若き才能が見据える歓喜へのウイニングロード

 

混戦セ・リーグの台風の目、そして98年以来となる優勝へ向けて突き進む横浜DeNA。そのチームを支えるのが四番の筒香嘉智と新人クローザーの山崎康晃だ。指揮官も絶大な信頼を寄せる逆転Vの命運を握る2人のキーマンの戦いにスポットを当てる。
※文中の成績はすべて8月1日現在

DeNAの新時代を担う23歳のチームリーダー


 歯をグッとしばり、筒香嘉智がフルスイングした。後半戦の開幕となった7月20日のヤクルト戦(横浜)だ。2点を追う初回、新垣渚から右翼席へ同点の14号2ランを放った。

 5日前の巨人戦(横浜)で死球を受けた右ヒジは、どす黒く腫れたまま。痛みはあっても四番の責任感でグラウンドに立った。6対8で敗れはしたが、2安打4打点。「負けたら何の意味もない」と厳しい表情はまた、頼もしさの裏返しでもあった。

 めまぐるしく順位が入れ替わったセ・リーグの前半戦で、DeNAは間違いなく主役だった。貯金は最大11個まで増やしながら、7連敗、12連敗と2度も泥沼にハマり込んだ。「ジェットコースターのような前半戦だった」とため息をもらしたのは中畑清監督。ギリギリのところで踏ん張りをきかせ、オールスター前最後の3連戦では宿敵・巨人に3タテを食らわせた。1球団だけ勝率5割、日本一に輝いた98年以来となる首位ターン。主砲がいなければ、ここまでの躍進は果たせなかったはずだ。

「負け試合でいくら打っても意味がない。勝負を決める一打にこだわりたい」と筒香



 プロ6年目は主将の肩書きも背負い、誰もがうらやむような成長曲線を描いている。打率.324、15 本63打点(8月1日現在)。3部門すべてでリーグ3位以内に食い込み、06年の松中信彦(ダイエー)以来となる3冠王も十分な射程圏だ。

「負け試合でいくら打っても意味がない。勝負を決める一打にこだわりたい。人間的にも信頼される四番にならないといけない」。2月のキャンプで松井秀喜氏から指導されたことで、内面にも劇的な変化が生まれた。 5月24日の阪神戦(横浜)では右太もも裏を負傷した。軽度の筋挫傷と診断されながら、戦列を離れることなく欠場を5試合だけにとどめた。

 中畑監督は「ゴウがベンチにいるといないでは、チームに与える影響はまったく違う。相手に与えるプレッシャーもそう。成長していることは言うまでもないんだけど、そこまでの選手になってくれたのが本当にうれしい」と表現。開幕から四番に固定し続けているのも、確固たる信頼があるからに違いない・・・

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