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球界セカンドキャリア

バーのオーナーで再出発!元ホークス・田上秀則の第二の人生

 

中日で戦力外を受けながら、強豪ソフトバンクで正捕手にまで登りつめた田上秀則。しかし左肩のケガなどで13年オフに現役引退した。その約7カ月後にはバーのオーナーとして再出発した。現在はカウンターに立ちカクテルを作りながら、お客と近い立場でおもてなしの日々を送っている。
取材・文=椎屋博幸、写真=BBM

 大阪ミナミと言えば有名な飲み屋街、スナックやバー、そしてクラブがひしめく。その激戦地でバーを経営している。

「ソフトバンクのファンや、野球ファンももちろんですが、一般のサラリーマンの方など、いろいろな方がお見えになってくれます。サラリーマンの方など朝方まで飲まれることがあって、翌日大丈夫なのかなあって思うこともあります(笑)」

ベストナインや最優秀バッテリー賞を受賞した選手時代



コストダウンのため、自身でも内装を手伝う


 ソフトバンク時代にチームメートだった仲澤忠厚と一緒にこのバーを開いたのが昨年の7月。開店して約1年3カ月が過ぎた。

 2009年にベストナイン、翌年には杉内俊哉(現巨人)とともに最優秀バッテリー賞を獲得し、強豪ソフトバンクの正捕手として活躍していた。しかし、11年の試合中に左肩をケガ。その後10月に手術を行った。このころから引退後のことについて頭の中をよぎることがあった。10年オフにFAで西武から移籍してきた細川亨に正捕手の座を奪われていた。ケガから復帰後も一軍に上がることもままならなかった。と同時に左肩の調子がなかなか上向かなかった。そして13年も一軍は15試合のみの出場に終わり、現役引退を決断。ケガとの闘いに終止符を打った。

 さあ、そこから何をしようか、とあらためて考え始めた。多くの知り合いや先輩方に相談した。その中で、飲食店などで働いたりすると精神的に厳しいということを聞いた。だが、お酒も好きだったことで、バーを開くことを決めた。

 もともと大阪市住之江区出身ということもあり、地元・大阪に帰ってお店を出すことにした。まずは物件探しからだったが、知り合いの不動産に探してもらい、実際にその場に足を運んで立地条件や雰囲気を確かめた。そして探し出して2日目の都合6件目で、今の場所にたどり着いた。

 場所を決めてから、次は内装に取り掛かった。このときも知り合いから紹介してもらった内装業者にお願いし、少しでもコストが下がるように、田上自身も内装を手伝った。

「一番しんどかったかもしれませんね。イスなども実際に自分で組み立てましたから(笑)」

 開店に向け、徐々に、そして着実に半分手作りで自分の城を作り上げていった。お酒も多くの種類の多数のメニューをそろえた。好きなダーツも一台置き、カラオケも完備。さまざまなお客が楽しめるスペースを作り出した・・・

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