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真中満監督に直撃「最後にはまたみんな笑顔で」

 

2年連続最下位に沈んだチームの再建を託されたのが、ヤクルト一筋23年の真中満監督だ。新人監督が就任1年目で前年最下位のチームを優勝に導いたのは、2リーグ制後では初の快挙だった。現役時代に4度の優勝、日本一に輝き、二軍監督時代にも優勝へと導いている新指揮官は、いかにして混戦セ・リーグを抜けだしたのだろうか。
取材・構成=阿部ちはる、写真=大賀章好(インタビュー)、BBM

チーム力での優勝ポイントは藤浪の攻略


 リーグ優勝を果たし、シーズンを戦い終えたヤクルトは、1日の休養を挟みポストシーズンに向け練習を再開した。「やっぱりプロである以上、CS、日本シリーズで負けてしまうと喜びは半減してしまいますから」と真中満監督の心はすでに、次なる戦いへと向かっていたが、まずは優勝の喜び、そして今シーズンの戦いについて振り返ってもらった。

――あらためまして、リーグ優勝おめでとうございます。シーズン前には『選手に優勝を味わわせてあげたい』とおっしゃっていました。選手の表情を見ていかがでしたか。

真中 ありがとうございます。あんなに喜んでいる姿はなかなか見ないですからね。優勝の瞬間もそうですが、記念撮影の写真での笑顔というのは優勝した瞬間しか撮れないようないい顔をするので、それを見るとあらためて達成感というかやったな、という感じがしますよね。

――監督も涙を流されていましたけれども、石川雅規投手や畠山和洋選手らもそうでした。その表情もまた格別だったのではないでしょうか。

真中 そうですね。あの顔を見たくて一年間頑張ってきたので、本当に幸せでしたね。

10月2日、14年ぶりの優勝を決めたのは、今季苦しみ続けた雄平の一打だった。試合後その雄平と抱き合って喜びをかみしめた



――就任1年目にして大混戦となったセ・リーグを制し、シーズン141試合目での優勝でした。

真中 正直な話、『よく勝ったな』という印象ですね。本当に選手がよく頑張りました。年間をトータルして、苦しいシーズンでしたけれども、それを選手がみんなで打破して、良いシーズンだったと思いますね。

――楽ではないシーズンの中で、一番苦しかった時期とは。

真中 序盤の9連敗(5月4〜16日)ですね。そこがまず最初のカベというか、一番苦しかったところかなと。

――その連敗を抜け出すきっかけとは何だったのでしょうか。

真中 まずはこれを自分の試練だと捉えました。監督をやらせてもらって1カ月くらいで9連敗ですからね……。ですから“いい経験させてもらえている”とか、“わざわざ試練をもらっている”というような解釈で少し前向きに捉えていきましたので、7連敗くらいまではしんどかったですけど、それ以降はすっきりした感じで戦っていましたね。

――その期間中には選手に声をかけたのでしょうか。

真中 8連敗目くらいだったかな。東京ドームで『優勝するチームでも連敗することはある。まだシーズンの序盤だから、そんなことは気にせずに1試合1試合戦っていこう』という話はしましたね。選手も去年、一昨年と最下位だったという状態の中での連敗で、なかなか苦しかったとは思いますが、そこから少し開き直ると言いますか、前向きに取り組んでくれたように思いますね。



――では優勝のポイントになった試合はどの試合だと考えていますか・・・

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