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新体制チームレポート

梨田イーグルス始動!「作り直さないといけない」

 

2013年の日本一から一転、2年連続で最下位に沈んだ楽天。すでに退任した大久保監督の下で臨んだ今季は主力選手の相次ぐケガに見舞われたほか、三木谷オーナーの現場介入、田代コーチのシーズン途中での電撃辞任など混迷を極めた。そんなチームの再建を託されたのが、5年ぶりの現場復帰となる梨田昌孝新監督。近鉄監督時代の01年、09年には日本ハムでチームを優勝に導いた新指揮官はどう楽天を立て直していくのか。10月18日から秋季練習に初合流した模様を含めて、動き始めた梨田イーグルスのチームルポをお届けする。
写真=井出秀人、BBM



個々の力を引き出してまずは勝率5割が最低目標


 いつもと変らない柔和な笑顔。肌寒いが、秋晴れした仙台の空が新監督を迎え入れるようだった。

 10月18日、楽天の梨田昌孝新監督がコボスタ宮城で行われていた秋季練習でナインと初対面した。時折ユーモアを交えながら、再建を期す第一歩を言葉に込めた。

「2013年に日本一になって翌年から2年連続最下位。借金30、40というのはありえない。必ず(勝率)5割でいけると思っている。個々のいいところを監督コーチが引き出すので頑張っていこう。梨田っていう名前は親しみがない。(元監督の)野村克也さんはノムさん、星野仙一さんは仙さんと愛称がある。(自分のことは)ナッシーと呼んでもらいたい」

 楽天は本当に生まれ変わり、強くなるのか――。Aクラスは狙えるが、優勝までは現状の戦力では依然として厳しい。それが、率直な実情かもしれない。報道が先行して憶測の部分も否めないが、今シーズン明るみになった三木谷浩史オーナーの現場介入。これを梨田新監督、星野仙一副会長がどうやってうまく“操縦”するのか。それが球団の成績とこれから先の未来を大きく左右するであろうという声は多い。

 思えば波瀾万丈の2015年シーズンだった。13年に球団創設9年目で初のリーグ優勝、日本一を勝ち取った。カリスマ指揮官、星野監督の下で、チームの絶対的なエースに成長した田中将大(現ヤンキース)の24勝0敗という驚異的な活躍もあった。また、打ってもクリーンアップを担ったマギー(現マーリンズ)、A.ジョーンズという外国人野手も近年ではまれに見る“当たり”の1年だった。

 だが、田中のメジャー・リーグ挑戦でエースを失ったチームは一気に低空飛行。14年から3年契約を結んだ星野監督も腰痛でシーズン途中で休養するなど、結局シーズン終了と同時に辞任。さまざまな監督候補の名前が挙げられる中、当時、二軍監督だった大久保博元氏が監督に就任した。

 しかし、そこでも目の前に立ちはだかった現実は厳しく、相次ぐ主力選手のケガにも見舞われ、奮闘むなしく結果は昨シーズンに続いて2年連続の最下位。7月末にはリーグワーストに終わった打撃不振などを理由に、田代富雄打撃コーチが電撃辞任という事態も招き、終わってみれば最初から最後までチームは混迷を極めた1年となった。

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コボスタ宮城での秋季練習で選手たちの動きを入念にチェックする梨田新監督。2年連続で最下位に沈んだチームをどう立て直すのか。杜の都での新たな挑戦の日々が始まった



 新指揮官に就任した梨田監督は実績も経験もあり、コーチ陣の考えを尊重しながら安定した戦いを求める傾向がある・・・

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