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侍戦士スペシャルインタビュー

大谷翔平に聞く 2015年の収穫、プレミア12への決意

 

2015年シーズンは最多勝、最高勝率、最優秀防御率と投手3タイトルを獲得、無限の可能性を秘めた男が、ついにその才能を開花させた。次に戦うのは世界を相手にした舞台。侍ジャパンでの戦いは、昨秋の日米野球以来、約1年ぶりとなる。日本ハムのエースから、日本球界のエースへ――。新たなステージに挑む男に、その決意を聞いた。
取材・構成=池田晋、写真=BBM



万全の状態でなくても結果を残すことができた


“二刀流”3年目は投手の面で大きく前進したと言えるだろう。シーズンを通して先発ローテーションをほぼ守り抜き、初の規定投球回に到達。“投手三冠”を成し遂げた。ポストシーズンではロッテに3回途中5失点と不本意な結果に終わったが、今季の好結果は小久保裕紀監督の心も動かした。「初戦の韓国戦がポイントになる。そこで投げるのは、日本で今季一番しっかりした成績を残した投手になる。(大谷も)候補の一人です」と言及している。

――あらためて侍ジャパンのメンバーに選ばれて、プレミア12への意気込みを教えて下さい。

大谷 シーズンが終わったので、今年はこれしかないです。大会は初めてなので、緊張するとは思います。

――大会まで1カ月を切りましたが、どのように準備を進めていますか。

大谷 まだ調整は考えてない段階です。目いっぱい練習をしてレベルアップすることだけを考えてやっています。

――大会まで実戦がないことに不安はないですか。

大谷 とくにはないですね。試合で投げ続けてシーズンが終わったので、少し投げない期間をまずつくりたいです。そこからもう一回やっていきます。試合勘は、どの球団の選手も同じだと思うので、仕方ないのかなと感じています。その中でできることをやれればいいです。

――選出後に「去年の(日米野球)とは違った緊張感になる」とおっしゃっていましたが、その真意を教えてください。

大谷 去年の日米野球は(公式の)大会ではないので、勝敗を抜きにした試合だったと思います。今回は勝ちに行く大会ですし、世界の選手たちが集まる。もちろん勝敗が大事になので、すごく緊張するんじゃないかなと思います。

2014年の日米野球では2試合に登板。先発した第5戦は4回2失点で敗戦投手になったが、7奪三振を記録



――今回の選出には今季の活躍があったからこそだと思います。15勝5敗、防御率2.24。この数字にどの程度の手応えを感じていますか。

大谷 1年間を通してそれほど悪い時期が長くなかったです。悪くなっても、それをスパッと切ることができました。その点は良かったと思います。ただ、そんなに「やったな!」だとか、自分の中で持っているものを100%出し切れたシーズンではなかったです。

――出し切れなかった部分というのは?

大谷 全体を通してですね。そんなにいい試合、自分の中で「これだ!」というモノをつかむ試合も少なかったです。

――それほど良かったわけではない中で、良い結果を残せたシーズンだったのですか。

大谷 そうですね。100%じゃなくても、今年はこれくらい行けたことは自信になります。去年から今年にかけての成長度合いがそこに出ているかと思います。ただ、もっと伸ばしていかなければならない点の方が多いです。

――「最低レベルを上げられた」という言葉で今季を表現していますが、その言葉にはどんな意味が込められているのですか・・・

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