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金本知憲新監督始動!「最強のコーチ陣」発足

 

写真=前島進、内田孝治

11月1日、高知・安芸でキャンプイン。本格的に金本阪神がスタートした


 金本知憲新監督をサポートする首脳陣の骨格が固まった。打撃コーチに片岡篤史氏、作戦兼バッテリーコーチに矢野燿大氏、二軍打撃兼野手総合コーチに今岡誠氏を招へいするなど、新顔がずらり。新任コーチだけでなく、高代延博内野守備走塁コーチがヘッドコーチに、掛布雅之DCが二軍監督に就任するなど、金本色が強く出た人員配置だ。自身も交渉役として組閣にかかわった新監督は自信たっぷりに言い放った。「最強のコーチ陣が出来た」と。


 勝ちながら再建する。この難題をクリアするため、指揮官が強くこだわったのが育成部門の全権を託す二軍監督の人選だ。目をつけたのは、育成&打撃コーディネーターとして2年間、若虎の指導に携わっていた掛布DCだった。

 DC職はいわばスポット契約で、ユニフォームにも背番号がなかった。新監督は「1年間、一緒にできないか」と球団に掛け合い、フロントはすぐさま二軍監督のポストを用意して動いた。「努力して打撃のスタイルを作ってこられた方。僕と共通点もある。発言に説得力もあるし、選手の背中を押してやってくれると思う」。同じ右投げ左打ちの強打者で、ドラフト下位入団からチームの主砲にまではい上がった経歴、打撃理論も共通するものがある。「一、二軍の風通しを良くしたかった」と、コミュニケーションを密に取り合い、一、二軍が一体となるようなチーム作りの理想像にも合致した。

 各部門を担当するコーチ陣に求めるのは第一に「情熱」だ。就任会見の席でも、理想のコーチ像について「情熱のあるコーチ」と、きっぱり。「僕に意見をしてくれないようでは困ると伝えてある」と、指示に従うだけのイエスマンは不要だ。

金本監督が信頼を寄せる矢野作戦兼バッテリーコーチ(左)。バッテリー面を全面的にサポートする


 2003、05年のリーグ優勝をともに経験し、同級生でもある矢野コーチは就任会見の席で「バッテリーのことは監督も分からないと言っているので、そこが一番サポートするところ。『こうじゃないか』と言うことが、期待されていると思う」と、積極的に指揮官に進言していくと宣言した。金本監督自身、矢野コーチについて「一番、フラットにモノが言えるコーチだと思う」と、活発な意見交換を求めている。

2003、05年のリーグ優勝を知る当時のチームメートが多く入閣。最強のコーチ陣が出来上がり、金本監督も満足気


 甲子園球場での秋季練習では、選手を個別指導する際、金本監督はできる限り打撃コーチと共同作業で行うように努めた。「監督とコーチの意見が違うと、選手が混乱してしまう。方向性が同じになるように」と、意思統一するのが狙いだ。

 熱い心を持ったスタッフと盛んに意見を戦わせながら、1つの目標に向かっていく。新しいスタイルの形成を目指しながら、チームは11月1日、高知・安芸で実りの秋季キャンプを迎えた。


3年ぶりに復帰した片岡打撃コーチ。情熱を持って指導していく


鳥谷をもう一度全盛期に近い状態にしたいと3年ぶりにユニフォームを着る久慈守備走塁コーチ


一軍戦力になる選手を教育すると熱く語ったのは二軍打撃兼野手総合コーチに就任した今岡氏


現役引退してすぐに二軍野手走塁コーチに就任した平野氏。プレーを直接見せて教えていくと情熱にあふれている

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