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MLBインサイドレポート
MLBスカウトが目を付けている日本人選手は?

 

今オフにも前田健太(広島)のポスティングによるメジャー移籍がささやかれているが、日本が誇るエース右腕の現地での評判はいかなるものなのか?そして、投手以外は下落しつつある日本人メジャーの評判ではあるが、マエケン以外でもMLB各球団が狙っている選手はいるのか?現地から最新事情をリポートする。
文=奥田秀樹

世界のスターの値段は2000万ドルの時代


 メジャー・リーグ(MLB)は今、年間売り上げ1兆円を優に超える巨大娯楽産業である。2015年、30球団中21球団が総年俸1億ドル以上だった。たくさんの選手がケタ違いの年俸を得る。日本人では田中将大(ヤンキース)の2200万ドルが最高だが、MLBのトップはクレイトン・カーショウ(ドジャース)、マックス・シャーザー(ナショナルズ)などすでに3000万ドルに達した。このオフ、デビッド・プライス(ブルージェイズ)もその仲間入り。スターの値段は2000万ドルが普通の時代なのである。

 そんな中、MLB各球団は、日本市場も熱心にマークしている。ア・リーグ東地区のあるスカウトはこう話した。

大谷翔平(日本ハム)はメッツのノア・シンダーガード以上だと思う。100マイルを超す球速でも負けていないし、真っすぐのコントロール、スプリットの精度、身体能力も上」と証言する。

メジャーではやはり大谷への注目度は高い[写真=高原由佳]



 藤浪晋太郎(阪神)への評価も高い。「今季、大きく伸びた。三振の数も増えたし、21歳の若さを考えると、まだ伸びしろがある」と言う。

 投手だけではない。ア・リーグ中地区のスカウトも柳田悠岐(ソフトバンク)、山田哲人(ヤクルト)、秋山翔吾(西武)らは世界レベルのプレーヤーと評価する。NPBには年俸1000万ドルを超す選手はいないが、彼らはそれだけの潜在能力があると見られている。

 日本人だけではない。キューバの24歳、ヤイセル・シエラ投手のワークアウトには350人のスカウトが集まったというし、韓国人選手についてもパイレーツの姜正浩の成功で、李大浩(ソフトバンク)、朴炳鎬(ネクセン)への注目度が上がった。

 彼らの先輩で、キューバのヨエニス・セスペデス(メッツFA)はこのオフ、6年1億3000万ドル前後の契約を結ぶと予想され、韓国の秋信守(レンジャーズ)は13年のオフ、7年1億3000万ドルの大型契約をつかんだ。あらためて書く。世界のスターの値段は2000万ドルの時代なのである。

「MLBで確実にチームの3番手以上」


メジャー移籍を待望している前田。果たして来季、どのチームのユニフォームを着ているか[写真=毛受亮介]



 そんな中、このオフの注目は前田健太(広島)だ。ナ・リーグ西地区のスカウトは「スライダーは一級品、チェンジアップ、カーブもいい。今季は打線の援護に恵まれなかったが20勝はできていた。MLBで確実に・・・

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