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球界クローズアップ 2015.11.19
阪神タイガース・中村勝広GMお別れの会

 

シーズン中の9月23日に66歳で亡くなった阪神中村勝広ゼネラルマネジャー(GM)の「お別れの会」が11月19日、甲子園球場で営まれた。首脳陣や選手がユニフォームでグラウンドに立ち、球団OBらも参加。関係者約600人が参列し、開放された一 塁側スタンドでは約1000人のファンが最後のお別れをした。
写真=佐藤真一ほか

意思を受け継ぎ一丸で優勝を目指す


献花をする阪神ナインたち。中村GMの「優勝」の意思を受け継いでいく決意をナインたちは口にした



 選手、監督として何度も何度も踏みしめたグラウンドでのお別れとなった。シーズン中、しかも優勝へ向けて大事な一戦、巨人戦が行われる日だった9月23日。宿泊ホテルで亡くなった中村勝広GM。選手たちに知らされたのは試合後のことだった。それ以降、チームは混戦セ・リーグを抜け出すことができず3位に終わり、中村GMに朗報を届けることはできなかった。あれから2カ月。和田豊監督が退任し、金本知憲新監督が就任。チームは前を向き出したが、選手たちはまだそこに中村GMがいるように感じている。「信じられないという気持ちは今もあります」とキャプテンの鳥谷敬も沈痛な面持ちだった。

 会の中で吉田義男氏が弔辞を読み上げた。吉田氏が監督時代に「一番・二塁」で起用。引退後は、一軍監督と二軍監督の関係となり、1985年、日本一に輝いたときには、フロリダ州の教育リーグに行っていた中村GMに電話をし、喜びを分かち合ったエピソードなどを披露した。

「だれにも公平に接する紳士。内に秘めたる闘志を持って何事にも勇敢に立ち向かった。あなたの魂は永遠に消えることなく、同じ志を抱くものの心を照らし続けるでしょう。教え子たちは必ずや墓前に大いなる栄光をささげるはずです」と声を震わせた。

弔辞を読み上げる吉田氏。中村GMとの懐かしい思い出話などを語り上げた



 また、長男の中村大輔氏があいさつに立ち、監督時代の92年、低迷期の中、優勝争いを演じ、最後は優勝できなかったが、翌日、甲子園に「中村監督、夢をありがとう」と書かれた横断幕が掲げられたエピソードを語り「その横断幕に救われた。阪神ファンの真の温かさがあったからこそ父は優勝という夢を追い、戦い続けることができたと思います」と感謝の意を述べた。

 メジャーから復帰するときに阪神への入団に尽力してもらった西岡剛は「天国から見守ってくれていると思うので来年は巻き返したい」とケガからの完全復帰とチームのリーグ優勝を誓った。さらに今季エースとして成長した藤浪晋太郎は「勝つことを徹底して、来年も戦っていくべきだと思います」と亡きGMへ来季での雪辱を誓った。

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