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キャンプ・解説者の視点
伊原春樹が見た巨人キャンプ 高橋監督はいまのところ“観察”

 



「個の力のレベルアップ」――。高橋由伸新監督が掲げるテーマは、選手個人の技術や体力をとにかく上げることだという。私もこの考えには大賛成だ。巨人は伝統的に優勝を宿命づけられている。その考えは球団内で徹底されているから、あらためてそれを声高に叫ぶ必要はない。だから、「チームのために――」ということよりも、とにかく選手は自分自身のことを頭に入れるだけ。その力を結集させて、勝利へと導くのは首脳陣の仕事になる。そうすると、選手は余計なことを考える必要がないので、やりやすいだろう。

 だからだろう、高橋監督はキャンプで選手をじっくり観察することに力点を置いているように感じた。本人も言っていたが、昨年は兼任コーチとは言え、スタメン、代打などで試合に出ることが多く、コーチ業をほとんどこなすことができなかった。さらに、監督に就任したのも急な出来事。準備期間が少なかったこともある。一歩引いて、フラットな視線で選手を見ていくことは必要だし、それを高橋監督も実感しているからこそ、選手の力量を自分の目で再び確かめることに徹しているのだろう。



 しかし、キャンプではチーム全体に若干活気が感じられなかったというか、静かだった印象だ・・・

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