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MLBが見た大谷翔平“二刀流”の可能性

 

MLB関係者の視線を独占している大谷翔平。数年後の大争奪戦に向けて、すでにそのゴングは鳴っている[韓国ロッテ戦]



 品定めするような目が連なる。日本ハムの米アリゾナ州ピオリアキャンプは見本市の様相。連日訪れるメジャー球団の関係者たち。お目当てはもちろん、背番号「11」を背負う、長身の男だ。栗山英樹監督は「あれは意識するよね」、チームメートたちも「ちょっとかわいそう。余計に力が入るだろう」と同情する。施設提供しているパドレスをはじめ、レッドソックス、レンジャーズ、カブス、ナショナルズ……挙げたらきりがないほどのスカウトが、大谷翔平を見るために連日ピオリアに集結している。

 だが刺すような視線はどこ吹く風。キャンプ序盤、大谷はマイペースを貫いた。ブルペンでは力をセーブし、投球フォームのバランスやボールの回転の確認作業に終始した。「まだ上げる段階ではない。思いっきり投げるのが頑張ってる……じゃない。間違いないようにやりたい」。集まったスカウト陣には肩すかしだったかもしれないが、2月上旬という時期的な問題に加え、日本とは湿度の違う気候や固いマウンドなどの環境を考えれば、先々を見据えた賢明な選択といえる。栗山監督も「やろうとしている意図は見える」と、スロー調整に文句をつけることはしなかった。

 向かっている方向に、間違いはなかった。10日の初登板(対韓国ロッテ)で証明した。メジャー全30球団が視察に訪れる異例の注目を集めながら、2回を1安打無失点。テレビ中継局のスピードガンは157キロを表示し、4者連続三振を奪うなど衝撃的な“全米デビュー”を果たした・・・

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