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松井雅人 捕手 #47

求められる正捕手としての一本立ち

 



 正捕手として長期間にわたって君臨できるか。それとも控え捕手のまま寂しくユニフォームを脱ぐか。松井雅人にとって、来季が分岐点となる。

「来季はもっと出場試合数を増やさなくてはいけません。安心して谷繁監督に使ってもらえるように……。僕が自信を持ってプレーすることで、投手も自信を持って投げられる。この秋に、どこまで自分を磨けるかにかかっていると思っています」

 ドラフト7位で入団し、今季で4年目。先発19試合を含む45試合の出場はキャリアハイだ。ライバルは3年上の田中。今季の出場数(15)では松井雅が圧倒しているが、とても安心してはいられない。

 谷繁監督、達川バッテリーコーチ。2人の偉大な捕手によって、若手を取り巻く環境は一変する。新監督いわく「実力主義」。もう谷繁に「追いつきたい」などという願望は求められていない。「絶対に追い抜く」という強い決意が求められている。

 ライバルの田中とともにみやざきフェニックス・リーグに参加している。松井雅本人も話しているように大切な秋なのだが、結果は芳しくない。先発マスクをかぶった5試合は3勝2敗ながら、総失点は24。打者としても18打数無安打と精彩を欠いている(10月22日現在)。「結果も内容もどちらも大切です。うつむいている暇はないですから」

 公式戦では痛打を浴びた後に意気消沈する姿を首脳陣から叱責された。たとえ内面が揺れようとも、投手や打者に悟らせないこと。谷繁監督からは強さを、達川コーチからはうまさを学び、ドラフト7位が正捕手を強奪する。
オーロラビジョン

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