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高橋尚成 投手 #47

チームの浮沈を握るベテラン左腕

 



 5シーズンぶりに日本球界のマウンドに立つ。メジャー・リーグでプレーしていた高橋尚成が2014年からDeNAのユニフォームにソデを通すことになった。09年まで在籍した巨人ではなく、同じセ・リーグの球団を選んだ。母校・駒大の先輩、中畑監督の存在と先発起用を伝えたDeNAの熱意が大きな後押しになった。「やる自信がなかったらこの選択はしていない。今までやってきたことをしっかり出せたら」と力強く意気込んだ。

 チームは6年ぶりに最下位脱出と低迷の暗闇から一筋の光明をようやく見いだした。ブランコを中心とした打線の破壊力は十分だが、さらなる高みを目指すには先発陣の強化が不可欠。巨人で活躍したベテラン左腕は補強ポイントにはまった。豊富な経験を生かし、勝てるチームづくりへ一役買うことも期待されている。「クライマックスシリーズ(CS)出場ではなく、とにかく優勝するという強い気持ちを持てば自ずとチーム力は上がる。引っ張っていけたらいい」と自覚十分に話した。

 ただ気掛かりな点もある。最後の先発登板は10年までさかのぼることだ。さらに昨季はメジャーでわずか3試合に投げただけ。シーズンの大半はマイナーのマウンドに立っていた。近年のイニング数の少なさがどういう影響を及ぼすか。だが、本人は「試合をつくるのが僕の仕事。長いイニングを投げたら最大に貢献できる」と気にする様子はなく落ち着いていた。

 積極的な補強でCS進出の可能性も見えてきたDeNA。期待の38歳がチームの浮沈を握る一人になる。「秋には笑って監督を胴上げするイメージ」と頼もしい言葉を残した。
オーロラビジョン

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