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森本稀哲外野手・パフォーマンスはなくても、存在感は健在

 



 テスト生から今季新加入した33歳、森本稀哲が、開幕から早くも欠かせない存在となっている。

 日本ハム、横浜DeNAと渡り歩き、プロ16年のキャリアで培ってきた経験値は十分。開幕から連敗が続き、チームの調子が上がってこない中でも、決して動じることのない芯の強さを感じさせる。

 どんなに内容の悪い敗戦を喫しても、翌日になればしっかりと頭と気持ちを切り替え、次の一戦に全神経を傾けて練習に取り組む。その姿勢に、「さすが、ベテランらしい切り替え方ができる」と、コーチ陣は賛辞の言葉を口にする。また、何よりもチームにいい影響をもたらしているのが、持ち前の明るい性格だ。自分の好不調や、試合に出られているかどうかに関係なく、試合中のベンチ内では常に大きな声で味方を鼓舞する。

 4月12日の日本ハム戦(札幌ドーム)。西武に移籍して初となる古巣との対戦でスタメン起用された元気印は、二刀流で今季も話題の相手先発、20歳の大谷から、2回ニ死二塁のチャンスで先制適時三塁打を放ってみせた。「大谷、はぇ〜〜〜!でもナイスヒットでした」。真面目でシャイな選手が多いチームの中にあって、自分の感情をストレートに、独特の表現で発する。このインパクトの強いコメントは、翌日のスポーツ紙でも取り上げられたが、自身の経験値からそういったことも織り込み済み。メディアをうまく使いながら、低迷気味のチームを活性化する術をよく知っている。

 日本ハム時代に行っていた派手なパフォーマンスは封印しているが、真のムードメーカーとしての仕事はこれから。ベテランの姿勢でチームを盛り上げる。
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