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サファテ投手・球団最多セーブも射程圏

 



 最も過酷な仕事だろう。抑えるのが、当たり前。炎上するようならば敗戦の責任を背負うことになる。ただ、この男はそんな修羅場をくぐり抜ける。守護神・サファテは8月12日の楽天戦(熊本)で広島時代の11年以来、3年ぶりとなる30セーブに乗せた。その後も順調に伸ばし、07年に馬原(現オリックス)がマークした38セーブの球団記録も十分、射程圏内に入ってきた。もちろん、セーブ王を争う、オリックス・平野佳に負けるつもりはない。

「自分にセーブがつくということは、チームが勝つこととイコール。投げろと言われれば、いつでも投げていきたいね」

 まさに鉄腕だ。8月28日時点での登板数はチームトップの53試合。昨季、西武で記録した58試合の自己記録を上回るペースだが、疲労感はない。京セラドームからの移動ゲームとなった19日の西武戦(ヤフオクドーム)では2対2の延長10回表に3連投のマウンドに上がり、無失点に抑えた。「タフな試合だったけど、みんな頑張っているからね」と気迫を前面に押し出し、連投をいとわない。セーブのつかない場面でも志願してマウンドに立つ。不動の守護神だが、時にセットアッパーの顔まで併せ持つ万能リリーフだ。

 考えるのは、自分の投球のことだけではない。8月22日のロッテ戦(QVCマリン)で延長11回にサヨナラヒットを浴びた高卒4年目の星野に対し、翌日、「打たれようと思って投げたわけではない。一生懸命やった結果だ。謝る必要はない」と励ました。ブルペンのリーダーとしての男気も見せる33歳。3年ぶりのリーグ制覇という大目標に近づけば、来日初のタイトルも手に届きそうだ。
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