逆転優勝はリーグ屈指のストッパー・
平野佳寿の右腕に懸かっている。150キロを超すストレートと落差の大きいフォークを武器に9回のマウンドに君臨する。「野手の人が点を取ってくれて、中継ぎ陣が最後の僕に回してくれる。全員の力で僕が最後のマウンドに立てている」。1996年以来となるリーグ制覇に向け背番号16は強い決意を口にする。
抑え転向2年目で球団の歴史を塗り替えた。8月21日の
ロッテ戦(QVCマリン)、9回二死走者なし。代打・岡田を151キロの直球で遊ゴロに仕留め締めくくると雄叫びを上げた。2008年の加藤、11年の岸田の33セーブを抜き球団新記録の34セーブをマーク。シーズン残り1カ月を残しての快挙にも「僕は最後を投げているだけ。でも、セーブを重ねることはチームが勝つということ」と淡々と口にした。
盤石の救援陣を誇る
オリックス。絶大な信頼を置く森脇監督も「今日はウチらしい試合だった。素晴らしいの一言。優先順位は違うがプロとして個人記録は大事だよね」と賛辞を送った。シーズン終盤にかけて平野佳の集中も一段と上がってくる。昨年は9月、10月と13試合に登板し9セーブを記録。12回2/3を投げ防御率1.43と安定した成績を残している。
今季は9月8日、9日の
楽天戦(コボスタ宮城)で2試合連続のサヨナラ負け。ともに9回に登板し自身初の2試合連続敗戦投手となった。ここまでフル回転でチームを支えてきた右腕は「次に向けて切り替えていくしかない」と悔しさをにじませた。首位争いを続ける中、試合を締める9回のマウンドに上がる重圧は計り知れない。守護神の巻き返しに期待がかかる。