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松井稼頭央内野手・チームを支える百戦錬磨のベテラン

 



 この男が起爆剤となって、打線の好調を生み出している。松井稼頭央。昨年も不動の遊撃手として活躍し、リーグ優勝や日本一に貢献。復活という言葉は語弊があるかもしれないが、打撃成績では昨年の結果をしのぐ勢いで打ちまくっている。

 113試合に出場し、打率.290(9月18日現在)。打率.248に終わった昨年よりも飛躍的に伸びている。月間MVPを獲得した8月。その後、3割にも到達。3割というラインについて「いつかは落ちていくもの。1本1本の積み重ねを大切にしていきたい」と、あくまで数字にはこだわらない姿勢を示している。

 9月に入っても好調を持続。8日のオリックス戦(コボスタ宮城)では9回に平野からサヨナラの2ランを放った。「まさかまさかでした。でも、手応えはあった」と納得顔。チームを支える主将がフル回転している。

 昨年は遊撃を務めたが、今年は若手育成の狙いから、夏前には西田が遊撃に固定された。その後、三塁を務め、左翼の練習にも挑戦。絶好調だった8月は左翼や指名打者での出場が主だった。

 一時は最下位を独走していたチームも、4位までは手の届く位置にまで戻してきた。その要因として、松井稼が一番打者として攻撃の軸となっていた部分は大きい。

 星野監督はサヨナラ弾を放った翌日に「稼頭央なんかがサヨナラを打つとかじゃなくて、若いヤツが結果を出してほしいんだよ」と本音も吐露しながら「アイツの身体能力は昔からすごかった」と頼もしそうに語る。「残り試合、1試合でも多く勝てるように」。主将として最後までチームを引っ張る。
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