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亀井善行外野手・2009年以来の充実

 



 ここ2年はたび重なる故障にも悩まされ、出場試合数は100に達していなかった。今季もキャンプ中に右手人さし指の骨折で出遅れ、8月上旬にも左太もも裏の肉離れで離脱。亀井善行は今季もケガに苦しむ時期はあったが、レギュラーに定着し、打線に欠かせない存在となった。

 2009年には打率.290を残すなど、日本一に大きく貢献した。ただ、10年が打率. 185、11年は. 246、12年に.236、昨季も.257と、その高い打撃技術にしては満足できる数字は残せていなかった。今季は意識を変え、深く考え過ぎず、打席ではまず芯でボールをとらえることを考えている。右手中指を骨折し、ボールを使った練習が制限されている際はとにかく走り込み、下半身が一回り大きくなった。技術的にも肉体的にも充実し、今、その能力を余すことなく発揮している。

 9月18日までに打率.305と安定感ある打撃をし続けており、また、勝負強さも目立つ。優勝争いが佳境に入った9月、まず、2日に行われた2位・広島との首位攻防3連戦の初戦(長野)だった。左太もも裏の肉離れからの復帰初戦で、4対2の4回にソロ本塁打を放ち、貴重な追加点をもたらす。「何とか結果を出したかった。自分にとっても大きい」と手応えを口にした。11日の阪神戦(甲子園)では初回一死満塁で先制の2点適時打。「あれこれ考えずに、シンプルに強い打球を打つことだけを考えて、自分のスイングをした」と内角の変化球を右前へと見事に弾き返した。

 長打力があり、つなぎもでき、勝負も決められる。亀井がVを目前にしたチームの攻撃のバリエーションを増やしている。
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