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畠山和洋内野手・復活した男の快進撃

 



 脅威の得点圏打率を残し、無類の勝負強さを見せている畠山和洋。9月18日現在で得点圏打率はDeNA・筒香に次ぐリーグ2位。4割近い成績を残している。左脚肉離れの影響で30試合程度出場が少ない中で、70打点でトップ10入りと、フル出場なら打点王も視野に入るハイペースだ。打率も.303で、このままいけばキャリアハイの成績。昨シーズンの打率がわずか2割1分台の男とは思えない見事な復活劇を見せている。

 2010年に.300を記録。翌11年には23本塁打85打点をマークし、主軸を担うようになった畠山だが、これからが本領発揮と期待された12年の成績は伸び悩み、極度の打撃不振に陥った。「外の球をホームランにしようとしてしまっていた」と不調の要因を自ら分析。今季の好調ぶりについては、「意識の変化」をポイントに挙げる。「今はセンターからライト方向へ、ライナーを打つイメージ」と本塁打を意識せずに、コンパクトな打撃を心がけているという。

「技術的なことよりも、気持ちの面が大きいと思う」と語るのは、真中チーフ打撃コーチだ。昨季はバレンティンの後の五番を打つ機会が多く、気負いがあったのではという見方をしており、「今年は周りのバッターも調子がいいから、余裕を持ってバッターボックスに入れている」と変化を認めている。背番号33も「結果に一喜一憂しないように。打てるボールをきちんと待てるかどうか」と全く気負う様子がない。「ホームランはできたら打ちたい」と話してはいるが、コンパクトなスイングでも15本塁打と持ち前の長打力は健在。勝負強さを兼ね備え、過去最高の成績へと、快進撃が続く。
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