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平田良介外野手・満足できない規定打席到達

 



 9年目にして初。目標ではあったのだが、達成感は思った以上に小さかったようだ。

「そこだけはと思っていたので、ホッとした思いはあるんです。とくにケガをして戦列を離れたときには今年も無理なのかと頭をよぎったので」

 平田良介がシーズンの規定打席(446)をクリアしたのは9月17日。レギュラー定着の証明として、開幕前から強くこだわっていた。夏場には左足首を痛めて離脱していただけに、平田は「最低ライン」に届いた喜びを口にはする。だが、同時に物足りなさもあるのは、チーム、ファン、平田に共通する思いだろう。前年より打席が増えているのに、減ってしまった本塁打……。不満の原因はそこに尽きる。「フォームを試行錯誤しているうちに、思い切りの良さがなくなっていたのかもしれません」

 開幕は四番でスタートした。大島とともに、谷繁監督から直々に期待の大きさを伝えられもした。持ち味は豪快なフルスイング。だが、「自分はまだ四番の見習い」という思いが強かったからか、つなぎの打撃に意識を置き過ぎた。シーズン当初は気にならなかったが、気が付けば前年15本放った本塁打が10本に減少(9月25日現在)。中軸としては少し寂しい本数だ。

「もちろんホームランだけ打てばいいということではありませんが、チームで信頼されることの1つだと思うので」

 強肩、体形に似合わず俊足。チームを支えていくだけの身体能力を持っている。レギュラー元年。そこからいかに長打力を発揮していくか。「最低ライン」はクリアした平田の、来季への課題はそこにある。
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