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大谷智久投手・さらなる精進を誓う

 



 投手陣のやりくりに苦労したロッテにあって貴重な戦力としての存在感は際立っていた。「今年に懸けるものは強かった」と述懐するシーズンで確かな足跡を残した。抑えの西野につなぐ重要な役割を任され、49試合で防御率は1.94。それでも「1年でも長く投げられるように、おごることや満足したりせずに。まだまだやることはある」とさらなる高みに目を向ける。

 伊東監督の就任1年目だった昨季は腰痛に苦しんだこともあり、わずか14試合の登板にとどまった。「アピールに失敗した」と反省。1年を通して活躍するにはどうすればいいかを考え「真っすぐをもうちょっと速く。ワンランク、レベルアップさせよう」と試行錯誤したことが結果に出た。

 トヨタ自動車からドラフト2位で2010年に入団した29歳。今季はストレートが「思っている以上に球速が出ていた」と言う。序盤に1度出場選手登録を抹消されたものの、5月に再登録されて以降は最後まで投げ抜いた。6月14日の広島戦(QVCマリン)は先発も務めるなど、フル回転。「必要とされたところで投げる。そのために準備することは変わらない」とさまざまな起用法にも応えた。

 最も調子が良かったのは夏場で、「後半は思っているより(腕が)振れていない感じがあった。シーズンを通して手応えを感じるほどではない」と話すが、快投ぶりに首脳陣からの信頼も高まった。

 早くも来季への意欲も十分。「野球界では自分はペーペー。ちょっとでも上に行けるように」と浮かれる様子はない。「僕が抑えることでチームに勝ちが付く。任されたところでできることをしっかりやりたい」と言葉に力を込めた。
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