充実の汗が頬を伝う。「サードの守備が好きになってきました。グラブにパチっと入る瞬間は気持ちいいですね」。秋季松山キャンプでは、そのほとんどを守備練習に割く。今季打率.305をマークした打撃面はいったん横に置いて、課題の守備を徹底的に鍛え上げている。
今季初めてケガなく1年間一軍で過ごし、142試合に出場。しかし、守備では三塁でリーグワースト2位タイの14失策で、失点につながるミスも目立った。
「あれだけミスをしたので、1からちゃんとやらないといけない、という気持ちになった。これをいい機会ととらえて徹底的に鍛えたい」。来季への課題はハッキリしている。
川端は入団から2012年まで遊撃を守ってきた。
宮本慎也氏の引退後に三塁に転向したが「三塁の基礎を身に付けないままショートの延長で取り組んでしまった」。
不規則なバウンドで球足が速い神宮のグラウンドで打球を受けるうち自然と腰が引け、「前に出ることができず、受け身になっていた」と反省する。
改善のため、今秋から一軍に昇格した
三木肇作戦コーチ(兼・内野守備走塁)の存在は大きい。現役時代はともにプレーした兄貴分的存在。構えの基本態勢から見直し、ゼロから三塁守備に特化して教わっている。
さらなる飛躍を期す理由もある。シーズン終了を待って結婚を公表した。昨季まで故障がちで『ガラスの体』といわれた川端を食生活や体のケアなど私生活で支え、今季の飛躍をバックアップしてくれた最愛の伴侶のためにも、来季は攻守ともチームの大黒柱となる強さを身に付ける。