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能見篤史投手・分岐点の36歳も、負けない気持ち

 



 すでに来シーズンに向けてスタートを切っているのが能見篤史。今オフは早々と契約を済ませたことも意欲の表れで、そのままトレーニングに没頭しているのだ。

「今年は決して満足のいくシーズンではなかった。誰しも1年ずっと好調をキープできるわけではないが、個人的にはもう少しやれたような気がする」

 今季は3年連続2ケタ勝利はかなわなかった。9勝13敗。「エース」と言われながら、負け数が先行してカベを乗り越えることはできなかった。

「もうその言葉からは解放してください。僕が言われるようじゃダメですよ。若いピッチャーが引っ張ってくれればいい」

 日本シリーズで敗退したチームだが、能見自身は藤浪、松田ら若手投手たちの台頭を感じている。打ち勝ったゲームが目立ったシーズンだが、常に虎投の意地を見せつけたい思いは強いのだ。

 来年は36歳のシーズンを迎えるが球団からの3年契約、総額4億5000万円(推定)の提示を受け入れた。

 能見は「この年になっても3年も契約してくれるところにすごく意味がある」と気を引き締める。

 来春はソフトバンクの左腕投手の嘉弥真と合同自主トレーニングに臨む。「何かを伝えるのは難しいが刺激になればいい。また何かを吸収できれば」とどん欲だ。

 また、シーズンを通しての調整法も「もう少し走り込みをしたいと思っている。36歳で分岐点の年。追い込むのもありかな」と変化を明言した。「1年1年が勝負。気を抜いたら先を越される世界だから」と来季は1年間先発ローテーションを死守するつもりでいる。
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