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丸佳浩外野手・2年連続3位に味わった歓喜と屈辱

 



 若きチームリーダーは、個人で残した数字より、チームの成績を悔やんだ。7年目を終えた丸佳浩は今季を振り返り、上位チームとの差をはっきりと口にした。あと1歩で2位を逃し、悔しさだけがはっきりと残った。

「去年はCSに出て勝ち進んで、お祭り騒ぎになった。でも今年はCSに出たのは出たけど、負けてすごく悔しい思いをした。僕らも意識が変わってきている。もっと、より一層上を目指してやっていきたいと思います」

 丸自身の成績を見れば、充実したシーズンだったと言える。初めて全試合に出場し、打率は.310をマークした。打点こそ67打点に終わったが、得点圏打率は.304を記録した。ゴールデングラブ賞を2年連続で受賞し、ベストナインも獲得。日米野球の日本代表にも選出された。個人成績では、まさに文句のない数字だった。ただ丸の中ではやはり、やり切れない思いが強い。

 若いチームにおいて「キクマル」の同学年コンビはチームを引っ張る存在として期待される。25歳前後ならほかのチームでは若手と見られても不思議ではないが、波に乗る広島において彼らのポジションはそこではないのだ。丸自身もそれを承知している。発する言葉からも、自覚がにじむ。

「悔しい気持ちを忘れずに、キク(菊池)と僕で引っ張っていきたい。そういう行動を取っていきたいです。僕らも若いですが、もっと若い選手が多くなっている。試合の中でのヤマ場、大事な場面を感じながらやっていきたい」

 2年連続の3位、CS出場も、今季に限っては「屈辱」だった。若きチームリーダーが躍動し、来季、広島を24年ぶりの優勝へ導く。
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