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田中浩康内野手・もう一度輝くために

 



 “屈辱の2年”を取り戻す。プロ11年目を迎える田中浩康は、雪辱に燃えている。

「年俸は下がったけど、それをモチベーションにしていきたい。終わったことを言ってもしようがない。来年の3月27日、開幕戦に出るつもりで準備したい」

 12月11日、東京・北青山の球団事務所で契約更改交渉に臨み、減額制限(年俸1億円超は40パーセント)いっぱいの5000万円減の推定7500万円でサインした。シーズン中に取得した海外フリーエージェント権は行使せず残留。定位置は確約されていないが、苦境にあえて挑む姿勢を見せた。

 プロ入り後、順調にその道を歩んできた。3年目の2007年、「二番・二塁」に定着しベストナインに初選出。以降も堅守巧打で定位置を不動にしてきたが、13年に打撃不振をきっかけに山田に先発を譲り、昨季はその山田が日本選手右打者のシーズン最多安打を塗り替える193安打を放つ大ブレーク。一方でベンチを温めた田中は主に代打として77試合出場で打率.245に終わった。

「試合に出ないと始まらない。いろいろと考え方も変えていかなければいけないと思います。真中監督に求められる仕事がしたい」と田中浩は誓う。今季からは、本職の二塁のみならず一塁、三塁にも本腰を入れ取り組むとともに、外野グラブも作り慣れない外野守備にも挑む。

 オフは12月下旬に極秘渡米し、例年より半月ほど前倒ししてトレーニングを開始。キャンプ、オープン戦から最大のアピールができるよう体を鍛え上げる。「どんな役割でもこなせるよう準備したい」。33歳となる新シーズンへ、背水の思いだ。
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