激戦に身を投じる覚悟は十分だ。勝負の3年目を迎える鍵谷陽平は、ビッグチャンスに意欲を見せている。今季狙うのは勝利の方程式の一角。昨季に続いて刷新される重要ポジションでセットアッパー、チーム事情によっては抑えも狙える位置にいる。「1年間通してしっかりと投げられるように準備をしたい」。自覚と使命感は、さらに増した。

　助走期間で環境を変えた。昨年12月中旬にハワイ入り。中大の先輩の巨人・澤村と2人で、ストイックに体作りに励んだ。2LDKのコンドミニアムでの2人暮らし。ジムも完備された施設で、自炊をしながら追い込んだ。澤村も今季の巨人で抑え候補と目されている。鍵谷は「先発から見た中継ぎの話など、いろいろしました」と意識付けの部分でも大きな刺激を受けたという。

　今季のブルペン陣は、若手、ベテランが混在する激しい争いが予想される。昨季の終盤で台頭した白村、復活を期す武田久……。ほかにも実績十分の宮西、増井、クロッタ、ロング救援要員だった谷元ら豊富なコマがそろい、サバイバルになる。鍵谷も勝ちパターンに割って入ることを首脳陣から期待されている。栗山監督は入団当初から将来の守護神候補と、名前を挙げていたこともあったほどだ。

　昨季は開幕直後にスランプに陥り、夏場に復調。終盤戦からポストシーズンへかけて140キロ台後半のパワー投球で圧倒するスタイルを見せ、覚醒の予感を漂わせた。今季は良いイメージを抱いたまま、突入できる。「50試合は投げたい」と明確な目標も設定して、気迫にあふれる。地元・北海道出身の貴重な人材。確信と自信を持って日本ハムを背負っていく。