メジャー移籍を狙った鳥谷が残留を決めたことで、再びチーム構想はリセットされる。特に、外野のポジション争いはさらにシ烈を極める。
そのサバイバルに参戦して譲らない覚悟でいるのが
伊藤隼太だ。
「まだ相手を気にしている余裕はない。2、3試合打てないと二軍に落ちるという危機感もありますし。1試合を通して任せられる選手、1シーズンを通してレギュラーとして出場しないといけないと思っています」
3つの定位置では助っ人の
マートン、ベテランの福留が居並ぶ。レギュラー扱いの
大和に、
俊介ら若手がライバルとなって立ちはだかっている。
伊藤隼にもドラフト1位男の意地がある。
阪神新人外野手で40年ぶり開幕スタメンを実現したが、攻守に決め手に欠いたまま期待外れに終わっていた。しかし、1年目から22試合、2年目30試合、昨シーズンは52試合に出場するなど着実に力をつけてきた。
昨シーズンは大和が故障で離脱となった7月下旬からセンターに就く機会が多かった。8月8日の
広島戦(京セラドーム)で
前田健太から遅まきながらの猛打賞もマークするなど自信もつけた。
鳥谷残留でセンターを守る大和を伊藤隼が抜くには、攻守にレベルアップする必要がある。打撃面では体重を4、5キロ増量してパワーをつけた。ミスの目立った外野守備では春季キャンプで安定感をアピールしたいところだ。「バッティングだけではいけない。守備も走塁もトータルで勝負したい」
伊藤隼が定位置をつかむことになれば、チーム全体の底上げで浮上にもつながっていく。