今年の
中日において、定位置争いの激戦区は遊撃だろう。今オフはアスレチックスからFAとなっていた中島の獲得に乗り出すも
オリックス入り。結局、現存勢力と新人で争うことになるが候補者は乱立している。その中で虎視眈々とレギュラーの座を狙っているのが昨年途中にオリックスから移籍した
三ツ俣大樹だ。
「レギュラーを獲ることしか考えていませんね。そのためにどうすればいいか。まずは守備で認められるようにしたい」
こう意気込む22歳が年明け早々に取った行動が大先輩・荒木への合同自主トレの依頼。快諾してもらうと1月12日からナゴヤ球場でスタート。特に2人で受けたノックでは食い入るように先輩の動きを見つめた。「いかに自分がムダな動きをしているかが分かりました。荒木さんの動きはすごくシンプル。打撃を含めて吸収していきたいですね」。レギュラー獲得への秘策が名手への弟子入りだった。
最大のライバルとなるのが来日2年目のエルナンデスか。昨年、中日の遊撃手の先発出場は計6人でエルナンデスは最多の68試合。規定打席には到達しなかったが、打率.262、5本塁打、32打点。守備では11失策と粗さは目立つが、打力とパンチ力は魅力だ。エルナンデスに続く61試合の先発出場だった堂上もライバルの一人。こちらは守備力は安定しているが、昨年打率.228と打力が課題となる。
三ツ俣は昨年、3番目に多い9試合の先発出場だった。『守りの野球』を掲げる谷繁兼任監督だけによほど魅力的な打力がなければ堅守は絶対条件。三ツ俣も打率.139と課題を抱えるが、荒木先輩の背中を追い続けて、レベルアップした姿でキャンプインしたい。