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田中賢介内野手・悲願の首位打者へ再出発

 



 3年ぶりの古巣復帰で、高いハードルを設定した。田中賢介が、自らにかかる重圧を楽しむかのように、はっきりと迷いなく悲願のタイトルを目標に掲げた。「首位打者を取ってみたい」。12年まで在籍した中で、何度も射程圏にとらえながら、逃してきた。一番のこだわりを持つ打撃成績の頂点に再挑戦する。

 不遇の2年間を取り戻す1年になる。12年オフにFA権を行使してジャイアンツへ移籍。内野手として最高峰の舞台へ挑んだが、壁は高かった。メジャーでは15試合出場にとどまり、本職ではない外野手としてプレーしたことも。昨季はレンジャーズとマイナー契約をしたがメジャー昇格できず、自らの希望で昨年7月に自由契約。今季も新天地を探したが、最終結論は日本ハム復帰となった。

 再度、一花を咲かせる強い覚悟がある。本職である二塁手としての起用が、栗山監督らの基本方針。慣れ親しんだポジションで守備からリズムを作り、打撃を含めた総合力の高いスタイルを再確立する。2月のキャンプでも、ブランクを取り戻すための戦略を持つ。「今年はなるべく、たくさん実戦に出たいと思います」。若手らに交じり、アメリカから日本の野球へと、早急に順応する計画だ。

 打撃部門の初タイトルへ向け、具体的にラインも設定した。「3割5分くらい」。10年の自己最高の.335を超える、大きな誓いを立てた。世代交代が急速に進むチームのスパイスとなり、自身が最後に在籍した12年以来、3年ぶりのリーグ制覇と、9年ぶりの日本一を目指すキーマンだ。「新しいチームに入るような新鮮な気持ち。イチから野球をできることが楽しみ」と意欲十分だ。
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