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内海哲也投手・エースの意地

 



 今季の目標を問われ、内海哲也は言った。「15勝以上。(チームとして)4連覇と日本一奪回」。個人的にノルマに掲げる数字をクリアすれば、十分に最多勝のタイトルが見えてくる。

 2011年(18勝)、12年(15勝)と最多勝のタイトルを獲得した左腕だが、昨季は苦しんだ。勝負どころで打たれ、また好投しても、味方の援護に恵まれない。悪循環に陥り、初勝利を挙げたのが開幕から10試合目、5月29日の楽天戦(東京ドーム)だった。また、夏前には左肩痛で約1カ月間、戦線を離脱した時期もあった。結局、5年ぶりに2ケタ勝利に届かず、7勝に終わった。昨季の反省から

「去年は前半に苦しんだので、今年は前半から飛ばしていきたい」と自らを奮い立たせる。

 オフに技術的に取り組んでいることは、原点回帰とも言える投球フォームの確立だ。昨季はフォームがばらつき、不調時にはなかなか立て直せなかった。毎年恒例のグアムでの自主トレーニングに向かう前には「しっかり(不振に陥ったときに)元に戻るように、基本に戻れるように、これをこうしたら(フォームが)元に戻る、というものをグアムでしっかりと確立して帰ってきたい」と意欲的に語った。また、年齢を重ねるごとに体が硬くなることから、ヨガを取り入れるなど、柔軟性を高めることにも気を配っている。

 約20日間の日程を終え、22日にグアムから帰国した。過酷なトレーニングを物語るように、顔は真っ黒に日焼けしていた。「いい練習ができたと思います。いつでもブルペンに入れるくらいできている。ランニングでも肩でも仕上がった」と自信を見せた。雪辱のシーズンが始まった。
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