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中川大志内野手・背水の思いで勝負の1年に挑む

 



 久米島キャンプ2日目の練習前、7年目を迎えた中川大志が「一軍の試合にたくさん出て勝利に貢献し、支えてくれた方に恩返ししたい」と大声を張り上げた。恒例の声出しに初めて臨んだ。キャンプで待望の一軍スタートとなった。右の和製大砲として期待され続けてきた24歳が、やっとスタートラインに立った。

 大久保監督が密かにブレークを期待する存在だ。二軍監督時代から我慢強く育成してきた。13年には15本塁打、71打点でイースタンの2冠王に輝いた。その一方で、一軍では6年間で出場11試合32打数3安打のみ。現役時代は強打を武器としながら長い二軍生活を経験した指揮官は、自らの姿と重ねる。「あとは一軍での経験だと思う。オープン戦までにしっかりと結果を残してほしい」と一軍メンバーに抜てきした。

 これまでもチャンスはあった。13年のアジアシリーズでは、全3試合で四番に抜てき。だが、13打数2安打。1本も長打を打てず、チームも準決勝敗退。そのショックを引きずった14年は二軍でも7本塁打。オフは志願して約2カ月間、単身で豪州のウインター・リーグに参加。「自分らしさを失ってはいけないと思った。期待されているのは長打力。相手が怖がる自分らしいスイングをしていきたい」と初心を取り戻した。

 球団ではドラフト指名で入団した選手で2ケタ本塁打を放った選手は過去に1人もいない。中川にはその素質は十分ある。

「結果を出さないと試合に使ってもらえない。(豪州では)1打席でチャンスをモノにすることを考えてやっていた。その気持ちを持ち続けて1年間やりたい」と背水の思いでシーズンに向かう。
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