即戦力右腕として期待され、三菱重工名古屋からプロの世界に入った。日大出身の戸根とともに、新人ながらキャンプは一軍メンバーに抜てき。雰囲気にも慣れ始めた高木勇人は「徐々に(状態が)上がってきている」と表情も明るい。

　キレの良い変化球を投げ、緩急も使える。先発、中継ぎをこなせ、チームが必要としているところで力を発揮できる。「言われたところでしっかりとやれる準備をしたい」と頼もしい。キャンプでは第1クールで、4日連続でブルペン入り。「ちょっとでも何か、プラスになることを見つけようと思って。投げられる状態だったので、しっかり投げようと思っていたら、そうなっていた」と向上心の強さから、連日、自然と足がブルペンへと向かった。

　プロの世界で、まず気づいたのは基本の大事さだ。キャッチボールから始まり、ノックを受け、けん制球、連係プレー。実績のある先輩投手たちも、一つひとつの動きを、何度も繰り返していた。「基本をすごく大切にしていて、だからプロなんだと実感した。丁寧に、数も多くやる。細かいところを大切にしているところにプロを感じた」と大きな刺激を受けた。

　ブルペンでは今季から巨人に加わった相川にマスクをかぶってもらった際に、少しの体の開きを指摘された。「完全に開いていたら分かるけど、ちょっとそうなったところを言っていただいた。すごいなと思った」。レベルの高い場所で、野球を満喫している。

　第2クールからは実戦形式の練習が始まり、アピールの場が訪れる。「自分らしくできるように、しっかりと準備していきたい」と目を輝かせた。