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則本昂大投手・「3.27」のマウンドを見据えて

 



 2月2日。練習開始前恒例の声出し。則本昂大は久米島の空に向け、声を張り上げた。「目標はケガをしないこと。1年間ローテーションを守ること。そして開幕投手をやります。頑張ります!」。大久保博元監督をはじめ、首脳陣、スタッフ、選手を前にして3年連続3度目の大役を宣言した。

 大久保監督は明言していないが、開幕投手の座は揺るがない。1年目は15勝で日本一に貢献。エース・田中将大の抜けた2年目の昨季は14勝と最下位に沈んだチームの中で、獅子奮迅の働きをした。開幕投手=エース。則本自身その条件を「信頼されることが一番。野球選手としても、人間としても」と言い切った。

 キャンプでは昨季終盤に試投した高速シンカー習得に再挑戦している。指への負担が大きく、一度は投げるのを断念したが「この現状に納得していない。球種を覚えること、精度を上げることに納得したら終わり。吸収できるものは吸収していく」ときっぱり。球種を増やし、投球の幅を広げていくつもりだ。

 また、フォーム修正にも着手。「打者が力感を感じない中で、従来の(威力ある)ボールが投げられれば最高」とし「幅50センチの廊下でキャッチボールができるような感じ」と説明した。よりコンパクトなフォームを完成させ、直球の精度アップへとつなげていく。

 調整はここまで順調に進んでいる。大久保監督も「こんな寒さの中、ヒジが痛いとかが出てこない。それが大きい」と目を細める。「1年間で12人しかいない。特別な思いがある」という開幕投手の座。3月27日、札幌ドームでの日本ハム戦。則本の視線は、そこだけに向けられている。
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