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大野雄大投手・内に秘めた闘志を燃やす

 



 表面上は「あえて口にしません」で、内心は「今年こそはやってやる」。これが開幕投手に対する今年の大野雄大の姿勢だ。中日の開幕投手は本命不在。右ヒジ手術からの復活を目指すエース・吉見こそ開幕投手を志願しているが、過去2年間でわずか1勝。昨年に最多勝、最高勝率の2冠に輝いた山井もそれほど興味を示していない。その中で2年連続2ケタ勝利を記録している26歳が虎視眈々と自身初となる栄誉を狙っている。

 1年前は「開幕投手になりたい」と宣言していた。だが、結果はかつてのエースである川上が任されて自身は開幕直後に大不振。何とか2年連続の10勝を記録したものの、開幕宣言したことへの後悔はわずかながらあった。今年も「バーンと言わないけど、秘めているものがある。そこを狙っていかないと実力も上がっていかない」と発言。開幕宣言を封印しているが、谷繁兼任監督から指名されるだけの準備は整えている。

 春季キャンプ第2クール最終日の2月8日、今年初めてブルペンで投げたフォークこそが新兵器だった。「秋のキャンプから取り組んでいます。真っすぐの軌道でストンと落ちるイメージ。理想は阪神メッセンジャーのフォーク。自信はありますし、早く実戦で試したい」。昨年の最多勝、奪三振王投手のビデオを見て研究したという新兵器への手応えは十分。スライダー、ツーシームでは空振りを奪えなかっただけに何とかモノにしたい。

 目指しているのは3月27日の開幕・阪神戦(京セラドーム)。山井、吉見、大野、この3人の中で誰よりも過去2年間の勝利数が多い大野には、その資格がある。
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